[…む?]
朝はいつもやってくるものだ。
[…!!!?]
いつもと違う風景に驚き跳ね起きる。
(そうだ…もうこっち側に来たんだ…)
やっと気づく。
そしてベットから下りると奥にシェルビーがいた。
[おはよう]
[ああ陛下、おはようございます。]
[なにやってんの?]
[朝ご飯です。]
[ふーん]
たしかにシェルビーのご飯はおいしい。ただ量が多いのだ。バイキング方式ならともかく大皿料理が一人分として出てくる。
[…少なめにね]
[なにいってんですか陛下?たくさん食べなけれれば戦争に負けてしまいますよ?]
[ぇ… まだ戦争してたの?…]
[いまはやってない。]
[ならいいや。]
[でも朝はしっかり食べなくちゃだめですよ?]
[だから多すぎるんだってば!]
この言いあいは長く続きそうなのでこちらが折れて大盛りに挑戦することにした。
そうしてテントを出てみると外にレオンがいた。
[おはよーう]
[ああ陛下おはようございます。]
[朝から訓練?]
[そうですよ?陛下もどうですか?]
[やめときます。]
[情けないですねえまったく。]
[はいはい。]
[まだか?]
[おわっゲン…いたの?]
[…その呼び名は却下したはずだが?]
ゲングログは剣を肩にかけ片足重心で立っていた
[ああ…ごめん]
[で、朝飯は?]と今度はレオン
[えっ?聞いて来なかった。ちょっとまって。]
と言い残しテントの前に戻り
[おーいシェルゥ〜〜あとどんぐらいでご飯なの〜〜?]
[あと2、30分だよ〜]おなじくらいの声量だ。
[だってさ。]とレオンたちのもとへ走りながらいった。
[相変わらず長いな]とゲングログ
[おいしいからいいじゃんか?]とレオン
[そうだね。]と吾輩。
[おいしいといえば?]とレオンがこちらを見ながらいった。
[…ほう?]とゲングログ
[え?…ちょ、ちょっと!朝ごはんはまだ…だ…け……ど]
そう言ってる間にレオンは龍の姿に変わり始めていた。
[こーーらーーー吾輩はダメーー!]
と声を張って言ってみたが聞いていなかった。
まあとりあえず逃げるに越したことはない。
[逃がさないよ?]
と龍に変身し終わったレオンが言った。
[もーなんでよ〜]
[陛下おいしいから♪]
まったく冗談じゃない…
もうレオンが追いかけてきている。ゲングログは笑いながら見ていた
[ほら捕まえた]
[うっ]
あっとゆう間にレオンの尻尾に囚われてしまった。
[どうします陛下?ばくっといっちゃいます?それとも口の中で遊んで行きますか?]
[うう…行くとしたら早い方がいい…]
…と知らぬ間に呟いていた。
[いいですね陛下?]
[もう好きにしてよ…]
そう言ってる間にもう吾輩は、はるか上に持ち上げられていた。下にはレオンが待っていた。
[ゲングログ?]とレオン
[なんだ?]ちょっとめんどくさそうに答えた。
[カウントダウンして]
[…5]
するとレオンが口を開いた
[…4]
きつく巻きついていた尻尾が少しゆるんだ
ほんとに冗談じゃないみたいだ…
[…3…2]
ちょっと鳥肌が立ってる…
それにしてもなにもできないとは…
[…1]
尻尾が緩んだ。そして滑り落ちてゆくように吾輩は落下を始めた。
[……0!]
もう周りには尻尾がなくて、下にレオンの大きく開いた口があるだけだった。

ベシャッ…

[うう…]
[はい到着〜♪]
[レオン…ちゃんと出せよな…]
[もちろん♪]
もうレオンがやたらハイテンションだ…
見るとレオンの立派な牙が見えた。
[それじゃあ…]
この声が聞こえたとたん舌が動きだし、吾輩を喉の方へ転がしてしまった。
吾輩はされるがままになっていた。
((ゴクン…))
こんな妙な音が耳に響いた


どんどん喉を下っている。
間もなく胃に着いた。


[まったくレオンは…]
そこには昨日見た風景が映っていた。
[どんぐらいでだしてくれるの〜?]
[じゃあご飯ができたら〜]
響いて聞こえる。
よりによって朝飯か…長いったら…

そうしてレオンの胃はなんだかんだで眠くなる…
そうして5分とたたずに眠ってしまって…いたかった……
レオンがわざと動いたりしなければ!!
 乗物に弱い吾輩は、とてつもなく酔ってしまった。
[うぷっ レオン… 酔う事知ってて…]
[なんか言いました?陛下?]
[うう…いじわる…  うぷっ]
[別に吐いてもいいですよ?]
[やるかよっ!!]

そんなこんなで30分たち、シェルビーが呼びにきた、
[できましたよ〜〜…あれ?陛下は?]
[ここだよ〜〜!!]
叫んだが、外には聞こえない様子だった。
[お散歩ですよ〜〜]
とレオン
[こら〜〜!!!]
おいっ どういうつもりで・・・
[じょうだんですよ ほら陛下、だしますよ?]
[早く出してよ…]
そうして胃壁が迫ってきた。
抵抗せずに身をまかせ、口までつくのを待った。
[今度はぼくがいただいてもいいですか?]
とシェルビー
[いいですよ〜]
とレオン
[勝手に決めないでよ〜〜]
と突っ込みを入れておく
そうして眩しい光を当てられる。
[はい陛下、朝ご飯です。]
[そんな簡単に言うなよ…]
こっちはめちゃくちゃに酔っているのに…


そうしてまたレオンの魔法にお世話になり、ジャージを乾かしてもらって、食卓についた。
…山盛りだ……
[これ無理っしょ?]
[何言ってるんですか?これでも減らしてあるんですよ?]
とシェルビー
[基準が竜人じゃ意味ないっしょ…]
[いいから食え]
とレオン
[はい…]
負けた…そう思いつつ食べるが、酔いからも覚めていないため、無茶があった。
[もう無理…]
[はいあと半分がんばろ〜]
とシェルビー
[うぷっ…いじめじゃね?…]
[何言ってんですか?このあとお勤めがありますよ?甘えてる場合じゃないですし…]
とレオン
[何やんの?]
[名前付け]
[は?]
[忘れましたか?陛下しか名前をつけてはいけないのですよ?]
[あ…]
思い出してしまった… 吾輩が長い間不在だったから今の子供達には名前がないのだ。
[何人?5人くらい?]
[24人だ]
ゲングログにあっさり言われた…
しかし24って…
[無理だって 吾輩センスないし…]
[はいはいとりあえず食べ終わって取りかかってください。]
と聞く耳を持たないレオンに遮られた。

 

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