「ところでさ、なんで二人は昨日盗賊と戦った時、初対面なのにあんなに戦術が 凄かったの?」 朝食を終えて遺跡へ歩き出した矢先、サンダースは不思議に思っていたことを ウインディとゴルダックにぶつける。 「ハンターの仕事は依頼されたことをこなすだけじゃ三流だ、先ずはパートナーとなる人物の 能力や経験、得意な戦い方などを把握して連携しやすいように下調べをして万全の準備をする、 ハンターの鉄則だ」 「ウインディは名で判断をして欲しくないと言っていたが、実力的な部分はそれを踏まえての 行動をオイラ達もするべきなんだ」 「はぁ〜…、ハンターって大変なんだな〜」 ふむふむと感心して話を聞いているサンダース、少し先輩顔ができたゴルダックは 少し得意げになる。 「決して楽な仕事じゃない、けど、目標の他に色々な充実感も得られる…」 「…色々な充実感って…?」 「仕事の達成感もあるが、大切な出会いもあるってな…」 「出会い…? それって私達のこと?!」 「さぁ? どうかな? 他の奴の事かもしれないなぁ」 「んもう! 意地悪なんだから…」 「ふふふ…」 初日のいざこざなど何処へ行ったか、三人は冗談を言いながら目的地へ向かう。 「私は…、この三人の出会いを大切にしたい、この出会いは更に多くの人との出会いが 訪れそうな気がするから…」 「…………」 「ん? どうしたの? 顔なんか赤らめて…、風邪?」 「べっ別に! 何でもねぇよ!」 無邪気な笑みのなかに不意に見せる大人びた笑みにゴルダックの心は ドキッと揺れる、彼女の境遇、それをマイナスに捉えない芯の強さに 段々と惹かれていくのを隠し切れずにぶっきらぼうな態度をとってしまう。 「ふふ…微笑ましいな…、む…ここがそうか…」 ウインディが視線を前に戻すとそこには巨大な遺跡群が面前に広がっている、 なにやら奇妙な力を感じる少し不気味な遺跡、三人は先ず、一番大きな本堂らしき 遺跡から調べてみることにした。 ペタペタ…グッグッ…ガッガッ! 「ふむ、触れても引いても叩いても反応がない…、やっぱり何か特別な力で 封印が施されているのか…?」 「サンダース、アレ…頼めるか?」 「だ、だからタックルなんかじゃ開かないわよ! ほ、ほら! 不思議な力で封印されているならこの文字が怪しいんじゃない?」 サンダースは慌てながら本堂の扉に描かれている文字をペタペタと触り始める、すると… ヒイィィィィン…ゴゴゴゴゴゴゴ…!! 「ひゃあぁっ?! な、何?! 何?!」 「ひ、開いた…?!」 「これはまた…」 何箇所かの文字が緑色に光り、硬く閉ざされていた扉が開いていく、 三人は警戒しつつもゆっくりと内部へと足を運んでいく…。 ガサッガサガサ… 「へへ…開いた開いた…」 三人は気付かなかったが、背後の草むらから二つの影が見つめていた…。 |