死に体の状態で倒れたままのイーブイにグリフィンがゆっくりと近づいてきた。

「所詮は生贄....。我に刃向うなどできぬ。」

グリフィンは考えていた……
今度もイーブイに抵抗されたら面倒だなと……
足下で倒れている様子から見ても抵抗できるとは思えなかったが、万が一と言うこともある……
それにこれ以上の抵抗に付き合っていては、空腹を我慢するのが面倒でもあった……


『ザングラヴィティー!!』

グリフィンの体が再び緑色のオーラに包まれ輝いて、洞窟中に広がっていく。
すると洞窟の天井を突き破りシュルルルゥと木の根が出てきた。
木の根が生きたヘビのようにクネクネと動き、イーブイの体に巻き付いた。
そのままイーブイをぎゅうぅぅ.....!!と締め上げ、グリフィンの顔あたりまで持ち上げる。

「ぎゃうわぁぁぁああっ!!く……くるしぃっ…… はな……はなしてっ!!」
「これで逃げられまい....まったく、手こずらされた。」

木の根から逃げだそうとイーブイは、じたばたと暴れる。
足に押し付けられた時ほどの苦しさはないが、暴れるほど
複数の木の根が次々と絡みついてきて、イーブイの動きは完全に封じられてしまった。 

その様子をため息をつきながらグリフィンは疲れたように眺めていた。

「それにしてもこんな小さな生贄をもってきおって……
 人間も何を考えているんだ。けしからん!!」
「うぅぅ……はなし……て……」

身動きもとれず……自分を食べようとしているグリフィンを
見ることしか出来ない恐怖で、声は破棄を失っていく。

しかし、グリフィンにとって、
この恐怖に怯える小さな生き物は、ただの生け贄……餌だった。
そして、一番興味があるのはイーブイの味……

「ひぇっ……?」

突然、グリフィンがイーブイの体に顔を寄せて臭いをかぎ出した。
間近で吐き出す息でイーブイの体毛が揺れる。
ビクつくイーブイは何が何だか理解する事が出来ない……

「にしてもこの様な生贄は初めてだ。
 大きい者だと味があるのだがこの様な小さき者でも味はあるのか?」
「い、いや……来ないでよ……」

目の前で開かれていくグリフィンの口……その中にある、
赤くて柔らかい物が唾液を滴らせて、イーブイに迫っていく……
イーブイはそれから逃げようと、泣きじゃくりながら身をよじる。

……意味はなかった。

「どれ...」
「うぅっ……わぁぁっ……きゃっぷ……うっぷ……」 

まず最初に大きな舌が、ペロォ…とイーブイの顔をゆっくりと舐め取っていく。
舌にまとわりついていた唾液が、デロォ…とイーブイの顔を口を鼻を覆っていく。
入り込んだ唾液を吐き出し気持ち悪そうに噎せ返り……
それに伴って体を襲う悪寒にイーブイの全身に鳥肌がたち身震いする。

一舐めした後、グリフィンはあまり味のしないイーブイに顔をしかめた。

「一回では何も味はしないな。どれもう一度……」
「もう……やめて……おね……あうっ……きゃぁっ……!」

もう一度どころではなかった……
グリフィンはイーブイの味を確かめるため全身を舐め始めたとたんに
瞬時にして全身から唾液が滴るほど唾液にまみれてしまった。
巨大な舌でレロォ…ペロッ…となめ回され、
その度にヌチャッ…ペチャッ…と舌と唾液がイーブイに絡みつく音が後を続く。
その音に加えて、舐められる感触にイーブイの喘ぐ声が混じり、洞窟の中に響き渡る。 



ひとしきり舐め終わったグリフィン……その表情は今だにはれていない。
理由は、イーブイを縛っている木の根のせいだった。

「この根が邪魔をしているのか……
 生け贄の味がさっぱり分からん……我とした事が……」

グリフィンはこのままではイーブイを味見を続けるのが無理だと悟ると……
シュルルウゥと根を操りイーブイを頭上へ持ってくる。
木の根に天井高く、つるされてイーブイは全身から唾液をポタポタと滴らせながら、
力のない目で眼下にたたずんでいるグリフィンを見つめる。
その内、全身を濡らしている唾液から臭気が発せられ始めて、今にも吐きそうな吐き気に襲われる。

「うぅっ…ぐぅ……うぇっ…くさぃ……」

ほぼ完璧にグロッキー状態になったイーブイ。
その真下でグリフィンは、頭上を向きグワァ…と大きな口を開けた。
足下に開いた真っ赤な穴を見たイーブイ……まるでその中に吸い込まれそうな感覚に襲われる。

「ひゃぁああっ!?」

悲鳴をあげ、再びジタバタ暴れ出したイーブイを見上げ……

「さぁ、これでお前も我の下で働けるな。」
「いやだっ いやだぁぁぁ!」

そんなイーブイの願いの叫びも空しく……
グリフィンが木の根を操りシュウゥゥ…と根が緩み始めて、イーブイの体がズルズル滑り落ち始めた。

「ぁ……あっ」

『食べられたくない』それが頭に浮かんだとき……イーブイは夢中で根につかまっていた。
それも、いつまで保つのだろうか……

「最後の悪あがきか。」
「ぇ…!?」

木の根がドンドン洞窟の天井に消えていく……そして


シュルゥ……ルッ


「いや!……うわぁぁぁぁっ!」

ついに……根が天井に消えイーブイが落ちてくる。
それを待ちかねていたグリフィンはさらにアァ〜ン…と大きく口を開き……


バクッッ!!


グリフィンの口がしっかりとイーブイをくわえ込み閉じられる。
そして、悲鳴が響き渡る……

「きゃぁぁぁあっ!」

一瞬早く、イーブイの小さな体が、
すべて収まる前に閉じられた口から……
顔だけがかろうじて横にはみ出している。

それが予想外だったグリフィンは頭を傾げる。

「ん?少し閉じるタイミングが速かったか....。まぁよい」

本当にどうでも良いとばかりに言葉を漏らす。
そう……グリフィンにとっても、これからの結果にも関係なかった。
グリフィンは手こずりながら、やっとの思いで口にした生け贄を味わい始める。
最初は、食感……グリフィンの顎が軽く動き、ギュウゥウとイーブイを軽く噛んでみる。 


「あぁぁぅぁっ……」
「あれだけちょこまかとすばしっこいやつは、
 噛んでみるとこれほども柔らかいのか……新しい発見だ。」」

グリフィンは自分の牙がイーブイの体に食い込むたびに柔らかな食感を感じていた。
鋭い牙に体中をハサミつぶされている間にだんだんと口からあふれ出た、
唾液がイーブイの顔を伝って地面に滴り水たまりを作っている。

そんな状況でもイーブイは逃げようと口の中で体をジタバタと動かしていた。
暴れるイーブイの四肢の動きを鬱陶しく感じたグリフィンは、
舌を使ってイーブイの下半身をギュウゥゥっと押しつぶした。

「うぎゃぁあっ……だ、出してよぉぉっ!! けほっ……」
「我を甘くみた罰だ少々痛みつけてやろうではないか。」
「 きゃんっ!……しゃべ……らないで……ひゃぁっ!!」

グリフィンが喋るたびにクチャクチャとイーブイがあちらこちらで軽く噛まれる。
その度にイーブイは痛みで喘ぎ声を叫び続ける。

「どうだ?我の力を思い知ったか?」
「うううぅぅ……」

その問いにイーブイは答えることは出来ず……涙を流していた……
しかし、それも滴り落ちる唾液に塗れているせいで誰にも分からない。

そして、グリフィンは次第にイーブイを味あうことに飽きだしていた。
今までの生け贄よりかなり小さいため味わう楽しみが無いせいだった……

「さぁ、そろそろ最後にしよう。」
「さ…さいご……っ?」

口からはみ出した顔を何とか向けて、グリフィンの巨体を見つめる。

「最後はお前自信で選択するがよい。
 痛みの有る方がいいか....。痛みの無い方がいいか....」
「そんなっ……ないほうがいいよっ! だ…から…たすけて…っ!」

イーブイに不思議な選択肢を与えるグリフィン。
良く考えもしないで口の中から出してもらえると思い、後者の方法を選ぶイーブイ…… 

極限の精神状態のイーブイにとってその選択の意味を読む事など無理だった。

どちらを選らんでも……結果は変わらないということに……

「では、お前の選択はそれでいいのだな。
 なら痛みの無いように丸呑みにしてやろう。」
「えっ!? だしてくれるんじゃ……!? 」
「ふんっ! 愚か者め、最初にお前は生け贄だと言っておいただろうが!
 どう足掻いたとしても、お前の行き先は我の腹の中だ!!」

救いも何もなく、言い切るグリフィンに口ごもるイーブイ……
悔しい……そんな感情が強くイーブイの心を支配する。
しかし、何も出来ない……

「うぐっ……聞いてないよ! 痛っ……まるのみだなんてっ!」
「自分で選んだのだ、本望だろうが……」

涙声で口の中から批難するイーブイを無視して、グリフィンは舌を動かす。
長い舌が口からはみ出したイーブイの体に巻き付いていき……顔まで包み込む。
 
「ひぅっ……あぅ……」

長い舌に体を巻き取られて、イーブイはその舌の生暖かさと唾液の臭いを強く感じていた。
逃げようとするが、ギュウウッと舌に全身を包み込まれていては動けるはずもなく、
少しずつ……少しずつゆっくりと口の中に引きずり込まれていく。

「うぁっ いやぁぁぁぁああっ!!」
「我の血肉になるありがたみを我の体内でじっくりと感じるがいい!!」

グリフィンの口の中へ……イーブイはその姿を消していった。

「……んっ……は…な…せぇ……っ」

イーブイは引きずり込まれた口の中で、未だに解放されず……締め付けられたまま…… 

その狭い空間の中で、ピチャピチャと口の中にたまった唾液と舌がたてる音を聞いていた。
生き物を絶望させる空間……それでもイーブイは諦めない。
体を必死に捻り、ジタバタ暴れて逃げようとする

「ん……。こいつ……まだ抵抗するつもりなのか……」
(さっさと飲み込んでしまえばいいのだろうが……毛が邪魔で呑み込みずらいな……) 


暴れているイーブイの体毛が口の中で張り付いたりして、
飲み込もうとしてもなかなか飲み込むことが出来ないグリフィン。
再び、どうしようかと思案する……

(まぁ塗らせばどうにか飲み込めるだろう……)

そう考え、いったんイーブイを舌から解放する。
何とか解放されたイーブイ……
暴れて疲れ切っていて、ハァ、ハァと息を切らし舌の上に倒れ込んだ。

「……ハァ、ハァ。 うぇ……唾液だらけで……くさい…よ。」

自分の体から臭ってくる唾液の臭いに顔をしかめていると……
突然、イーブイが倒れていた舌が動き出して……
クッチャッックチャァっと口の中でイーブイを転がし唾液にからませ始めた。

「あうあっ ごぼっ……うぶっ……!」


ベチャヌチャァッ 


「けほっ けほっ……やめ…」


クチャリヌチャリ


「きゃあっ うぎゃぁっ!」

グリフィンが舌を動かしてイーブイを唾液に絡めていくたびに
口の中でイーブイは唾液の波をかぶりつづける……その度に
転がり、跳ね飛び、押し付けられると……
今、自分がどんな体勢になっているのかイーブイには分からなくなっていった。

「そろそろいいだろう。我も腹が減ってきて我慢ができん」

イーブイを唾液に絡めようとする舌の動きが止まる……
目を回し頭の中がフラフラになっているイーブイは、
だらしなく……四肢を開いたまま仰向けに舌の上に倒れ込んだ。

「フニャ……フニャ……キャウ……」

何が何だか分からない言葉を発しって
倒れたままのイーブイをグリフィンの舌が、波打ち喉の奥へ奥へと運び押しこんでいく…… 

半分ほど運ばれた辺りで目を覚ましたイーブイは
直ぐにどうなっているのか気が付き、

「い、いやっ いやだぁぁっ!」

自分が運ばれていく先に開いている……
喉の穴を見つめ悲鳴をあげて、じたばたするが意味無く……
唾液と一緒に奥へと流し込まれていく。
そして……


ゴックンッ!!


グリフィンの喉が生々しい音を立てて、イーブイを飲み下した。

「うわああぁぁぁ……」

恐怖に染まった叫び声と共にイーブイは喉の奥へと消えていった。
グリフィンの喉がグニュグニュとイーブイの体の大きさにあわせて小さく膨らみ、
その膨らみがゆっくりと喉の下へと下っていく……

「ハゥム……ウグ……止まらない……よ。」

四肢を張り出し、イーブイは一生懸命にグリフィンの食道に押し付ける。
しかし、体は止まるどころか……食道はグニュグニュと伸びるだけで、
その間にもイーブイはズブズブと食道の肉壁に押されて喉を下っていく……


ズブズブッ! グリュリュ! ズリュ!


「ウップ……ウミュ〜……」

食道の肉壁をゆっくりと下っていくイーブイに突然、頭が何かに当たって
何か壁の様な物に押し付けられるように喉の奥深くで停止した……が、
グニュグニュと動く肉壁がそれでもイーブイを強く壁に押し付けると壁がグニャリと開いた。
頭にかかっていた圧迫感が急に消えて、
そのままイーブイは食道とは違う空間に頭だけ入り込んだ。
もちろんそれだけで終わるわけはなく、
肉壁はどんどんその空間にイーブイを押し込んでいき


ズリュリュ! グニュリ!


それを最後に喉を下る生々しい音は消える。
イーブイは全身をその空間……胃袋の中に押し込まれていった。

柔らかな胃袋の中へ滑り落ちたイーブイ……
その時に胃袋の中に貯まっていた体液を、
巻き上げヌチャァッとした体液がイーブイを包み込んだ。

「うぅぅっ……ここは?」

薄暗い闇の中、イーブイは唾液と体液で殆どよく見えない目で周りを見渡していた。
しかし、よく分からない……
胃壁に全身を密着させ、ドックン、ドックンと規則正しく、
心臓の鼓動と一緒に胃袋が脈動する音を、
ボーとする頭でジッとしたまま聞き続けていた。


自分の胃袋の中にイーブイが落ち込んだのを感じて
グリフィンは前足を胃袋の辺りに当ててから、何回か撫でてその感触を確かめる。

「ウップ……やっと終わったか。」

しかし、苦労して生け贄を食べたというのにグリフィンの表情ははれない……

「あんな小さな生贄を食うだけで、こんな時間をかけてしまった。
 ……我としたことがなさけない。」

本来なら手こずるはずもない力の差があったはずが……
生け贄の必死の抵抗にあれだけ手こずったことが、
グリフィンのプライドを大きく傷つけていた。

頭を振りながらグリフィンは洞窟の外へと向かう。

「食うとなればあっけなくすんでしまった……」

グリフィンは今まで捧げられた生け贄を思い起こす。
それらの生け贄達はイーブイよりも大きく……
食べたときに喉を通るのど越しも、胃袋に落とし込んだ後の感触、満腹感……
そのすべてがイーブイには足りていなかった。


そうしている内にグリフィンは洞窟の中から外へ出てきた。
遠くの空では、すこし白く明るみ始めていた。

「もう夜明けか、あの者だけに無駄な力を使ってしまった。
 その分の力がえられるといいが……無理であろうな、この程度では……」

何ともいえない脱力感に襲われるグリフィン……
とにかく今は何もするきがでなかった。

「これ以上無駄な力は使えぬ。大人しく今日は寝るとしよう。」

翼を広げ強く羽ばたくとグリフィンの巨体が浮き上がる。
そのまま何度も羽ばたき続け、いつも寝床に場所に向かって飛び始めた。


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