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異世界の漂流者 − 旧・小説投稿所A

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異世界の漂流者

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翌日・・・・

「ん・・・う・・・」

シュルツは艦長室で目を覚ました

あの後グライフがすぐに吐き出し艦長室に運んでくれたらしい

そのグライフは今、竜人の姿になって床に横になり眠っている

「まったく、しょうがねえな」

シュルツはグライフに毛布をそっとかけると部屋を出た






「え!?」

「喰われないんですか!?」

「大丈夫だ」

会議室に声が響く

シュルツは各班の班長と副班長を集めグライフの事を話した

話したのはグライフが竜であることのみである

その他の事も言いたかったがグライフに殺されるので黙っておいた

グライフが竜である事を言っておけば万が一姿を見られても大きな混乱にはならないだろう

「それでは解散」

シュルツは会議を解散させると部屋を出た

グライフを部屋に置いたままだと何をするか分からないので一度部屋に戻ろうとしたのだが・・・・

「艦長!」

「ん。どうした伊丹?」

船医の伊丹に呼び止められた

「少女が目を覚ましました」







シュウウウウウン

自動ドアを開け医務室の中に入ると少女がテーブルのところにある椅子に座っていた

「あ・・・こんにちは」

「こんにちは」

シュルツは挨拶を返しながらいすに座る

「その・・・君の名前は?」

「私ですか?」

「うん」

「ソラ・コルシェルトです」

「私はシュルツ・ミリバールだ」

ソラは名前を聞き終わると椅子から立ち上がりぺこりと頭を下げた

「助けていただいてありがとうございます!」

「いやぁ・・・・そんな」

その後もソラは何度もお礼を述べ頭を下げた

彼女が言うにはこの若さで町長をやっているとのこと

何でも死んだ父親の地位をそのまま受け継いだらしい

だからお礼は何でも出来る。させてくれといってきかない

「お礼がしたいんです!何か困っている事はありませんか?」

ソラは力強く言うとシュルツをじっと見つめている

そこまで言うのなら・・・とシュルツは重い口を開いた

「実は食料が不足しているんです」

「食料ですね!分かりましたすぐに手配します!」

ソラは身支度を整えると町へ帰ると言い出した

また竜などに襲われたら大変なのでやめた方がいいといったのだが言う事を聞かず帰っていってしまった

「元気のいい子供だな・・・・・」

医務室に一人残されたシュルツはため息を付いた

そのまま医務室にいてもしょうがないので立ち上がると部屋を出た








「今日はカレーうどんか」

「美味そうだな!」

シュルツはテトと共に食堂でカレーうどんを食べていた

ふーっと息をかけ、冷ましてから啜る

「うん!いける!」

「ああ!」

なんか妙に美味いカレーうどんにテンションが上がる二人、そこにグライフがやってきた

「ククク。シュルツ」

「何だ?」

意味深げな笑みを浮かべシュルツの隣に座る

「今夜もう一回喰わせ・・・」

「嫌だ」

シュルツは即答しうどんを啜る

あまりの速さにグライフは呆気に取られた様子だったが再びにやりと笑うと・・・

「喰わせなければ情報は教えん」

「ゴブゥ!!」

シュルツはカレーうどんを噴出した

「うぎゃああああ!!汚ねええええええええええええ!!」

向かいの席に座っていたテトにハキダシタモノが掛かり絶叫する

そんな様子をグライフはクククと笑って見ていた

「お・・・お前卑怯だぞ!」

「ふん。俺は邪竜だ。何とでも言え」

そんな事を言いながらグライフは自分が持ってきたうどんを食べている

「くっそ〜・・・」

その時シュルツに悪魔のような考えが浮かんだ

手を伸ばしテーブルに置いてある調味料から赤い液体が入った瓶を手に取る

「グライフ。これかけて食うと美味いぞ〜」

「ん、そうか?」

ニヤニヤしているシュルツを不審に思いながらもその瓶を受け取るとうどんに全部かけた

「シュ、シュルツそれハバネロ・・・!」

「テト行くぞ」

タオルで服を拭いているテトの手を掴み小走りで出口へと急ぐ

その間にもグライフはうどんを箸で掴み口へ運び・・・




食べた





「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

「逃げろ!!」

グライフの悲鳴を聞いたシュルツ達は食堂から飛び出す!

「か、辛いいいいいいい!!ヒィイイイイイイイイ!!」

グライフはのた打ち回った






10分後



「あいつ等、食い殺してやる!!」

怒り狂ったグライフが二人を追いかけ始めた










この事は後日ハバネロ事件としてシュルツの日記に記録される事になったという



笑えるかどうか分かりませんがちょっと笑いを入れてみました^^
<2011/06/18 20:02 雪風>
消しゴム
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