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しゃわでー ないと ふぃーばー ヒャッッホォォォオオォオイ!! − 旧・小説投稿所A

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しゃわでー ないと ふぃーばー ヒャッッホォォォオオォオイ!!
− 再び親切 −
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僕はこのまま……、飲み込まれてしまうのかな……。
最後に……、お母さんに会いたかった……。
……ハルにも……会いたかったのに……。


… … …



“……ドシャッ!!!”


「……っ!!」


静かだった世界に突然ものすごい衝撃が走った。
鈍く大きな音と共に、
僕は まるで フワリと空を飛んでいるような感覚になる。
いや、実際、宙に浮いていた。

時間がゆっくりと動いているように感じる。
僕の視界には、真っ暗な夜空と 強く輝く綺麗な満月が見えた。
冷たい風が ちょっぴり強く僕に当たる。

すると間もなく、徐々に僕の視界は暗くなっていった……。


※  ※  ※


……それほど時間は経っていないと思う。
おそらく数分後だ。僕は意識を取り戻した。

僕が今 倒れている地面は、さっきまでの肉厚な 生温かい地面じゃない。
これは……、草だ。ちゃんとした、草が生えた冷たい土の地面だ。

少し体を起こして、辺りを見渡す。
もうすっかり暗くなっていた。
鬱蒼とした木々が、ちょっとホラーチックな雰囲気を漂わせている。

少々ふらつきながら、ゆっくりと立ち上がった。
前に視線を向けた瞬間、ビクッと体がおののいて仰け反る。
そこには、タエさんが気を失って倒れていた。
恐る恐る近づきながらよく見てみれば、
誰かに左頬を 計り知れない力で殴打されたような跡が見て取れる。
どうやら僕は、その誰かに助けられたみたいだ。

「よかった、気がついたんッスね。
 大丈夫ッスか? 怪我はないみたいッスけど……。」

すぐ横から、ちょっと低めで 優しい感じの声が耳に入った。
なんだかもう、優しい声にはこりごりだという内心もあったけど、
もしかしたら彼が僕を助けてくれたひとかもしれない。

「ははっ、
 急いでるってのに、つい助けちまうなんて、
 おいらったら、親切すぎるってのも考えものッスね。
 でも、流石にアームハンマーはキツすぎたッスかねぇ。」

「あ、あのっ、ありがとうござ……!」

月の明かりが彼を照らし、あることに気付いて 言葉が止まった。
見上げるような巨体は、そこらに生えている木ほどに大きい。
太くて丈夫そうな 腕、足、尻尾。鮮やかなオレンジ色をしている。
それだけでも驚くことだけど、それよりも 僕の目を引きつけたのは、
彼の肩に刻まれている ドラゴンを象った刺青だった。

「ひっ……!!」

綺麗なオレンジ色の肩に刻まれた 蒼い刺青。
この刺青のマークは、あの竜の山岳に住む
恐ろしいドラゴンが刻むマークなのだ。
お母さんからは、これを見たら
『絶対に目を合わせちゃだめ。一目散に逃げなさい。』
と言われている。
そうしなければ、たちまち襲われて無残にも食べられてしまうと。

「さぁ、もう大丈夫ッスよ。」

彼が僕に 腕を伸ばした、あの刺青が僕に近付いた瞬間、
僕の体は反射的に 彼に背を向けて走り出していた。

彼は追ってこない。
僕はそのまま走り続けた。
幸いなことに、この方角は僕の家に向かっている。

走りながら、翌々思う。
彼は僕のことを助けてくれた。
それなのに僕は、お礼もろくにしないで逃げ出してしまった。
しかも彼は、“急いでいる”と口にしていた。
大切な時間を割いてまで 僕を助けてくれたんだ。
……それなのに僕は……。


※  ※  ※


僕は そのまま家に飛び込んで布団にもぐりこんだ。
自分の体が震えているのが よく感じ取れる。
どうしてだか、涙まで出てきた。
たぶん、今までの恐怖が一気に押し寄せたんだろう。

「ちょっと、遅かったじゃないの。
 心配したんだから。
 ……? 一体なにがあったの。」

お母さんの声に答えられる気力がない。
僕はさらに身を丸めて、布団の中でうずくまる。
お母さんはそれ以上何も言わなかった。

体中ベタベタして、布団の中に嫌な臭いが溜まる。
そういえば、吐き出されてから身体を洗う余裕もなかった。
いや、だけどもう疲れで それどころじゃないくらい眠い。
布団に入ってたら、
体のことなんて どうでもよく思えるほどに睡魔が襲ってくる。

おや……すみ……なさい。






なんか親切なにーちゃんがきた。
因みに俺はオレンジレンジが好きです。

<2012/10/07 20:42 ギン鶴>
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