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・・・からの解放 − 旧・小説投稿所A

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・・・からの解放
− 初めての友達 −
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クロス『はぁ・・・はぁ』
とても、苦しい。こんなはずじゃ、無かった。
クロス『・・・っ!?』
苦しい生活から逃れるために、家を出て・・・伝説でよく聞く、異世界に繋がる遺跡に来たはずなのに・・・
クロス『逸そ、このまま・・・死ぬべきかな?』
体には、数本の矢が突き刺さっていた。急所は無事だが、出血が酷い。
?『貴様は、何を望む?』
クロス『!?』
何処からともなく、声が聞こえる。何を望むって、言われても・・・
クロス『僕は・・・解放されたい!』
?『・・・なにからだ?』
クロス『この世界の・・・苦しみから!』

暫しの沈黙のあと
?『その望みを叶えよう』
すると、矢が光となって消えた。そして、出血も止まった。
クロス『貴方は?』
?『我の名はゼロ。ゼクロムのゼロだ』
漆黒の体に、紅く光る瞳。
ゼロ『貴様を異世界に連れていってやる』
クロス『どうやって?』
尋ねると、ゼロは驚きの言葉を発した。
ゼロ『貴様を我が喰らうのだ』
クロス『喰らう?僕を消化するの?』
ゼロは表情を変えた。少し、驚いているらしい。そんなに、自分の質問はおかしかったかな?
ゼロ『喰らうと言ったのに、恐れないのか?』
クロス『喰われて苦しみから解放されるのなら、恐れないよ』
ゼロ『・・・そうなのか。あと、言っておくが消化はしない。異世界に着くまで腹の中に居てもらうだけだ』
自分は嬉しさを堪え、ゼロに近づいていく。そして、足下まで行くと、ゼロを自分を優しく口元に持ち上げた。
ゼロ『この世界に、未練は無いか?』
クロス『無いよ』
ゼロ『それでは、頂くとするか』
ゼロは口を開いた。と、同時に生暖かい吐息が、自分に当たる。目を開けると、鋭く尖った牙と、唾液に満ちた舌が見えた。
ゼロは、上を向いた。そして、自分をその真上に運び・・・手を放した。自分は重力に従い、真下に落ちる。
ゴックン・・・
一瞬にして、呑みこまれた。全身を喉肉に包まれていて、身動きがとれない。しかし、そんなことはどうでもいい。
クロス『気持ちいいよ』
喉肉は自分を優しく揉む。それに、吐息よりも暖かく、心地よい。
グニュ・・・
胃袋に着いたようだ。喉肉よりも胃肉のほうが柔らかい。そんな胃袋は、自分が落ちてくると、優しく受け止めて、包み込んでくれた。
クロス『ふわぁ〜』
あまりにも気持ち良いため、瞼が重くなってきた。そして、ついには・・・
クロス『おやすみ・・・ゼロ』
眠ってしまった。

*****

ゼロ『ゆっくりと休むんだな、クロス。さてと、始めるか』
床、天井、四方の壁に、魔法陣を描き静かに呪文を唱え、呟いた。
ゼロ『クロスを苦しい世界から解放してやる』


<2012/07/31 16:58 クロス>消しゴム
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