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狼と狐のち日常 − 旧・小説投稿所A
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狼と狐のち日常

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僕はほとんどその場から逃げるように庭を窓ガラス越しに見渡した。
闇夜のような漆黒の体毛に包まれた狼に
相対するように真珠のような純白の体毛の狐。
宙で舞う九つの尾は極上の手触りで触れれば天国へ旅立てるだろう。
異次元からの使者? の内の黒狼と九尾。
本名はそれぞれ、菫と椛。
菫はああ見えて結構優しくて、一緒に居易いかな……?
「ああ見えては余計じゃ!」
聴こえてたらしい……
ちょっとだけ舌を出して、右手で頭を掻いて小さく謝った。
菫はこれだけで赦してくれる。溜息とかつくけど。
椛はソルと比べて……
ダメだ、ソルと比べたら全員が優しく見える。
菫と同じように僕の事を気にかけてくれたり
心配してくれたりするけれど
よく悪戯を仕掛けてくる。
その度合いが少々ふざけていて
体に齧りついたり、その巨躯で押し潰そうとか……
覆水、盆に返らず。
とにかく質が悪いものばかり。


<2012/03/14 09:01 セイル>消しゴム
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