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狼と狐のち日常 − 旧・小説投稿所A

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狼と狐のち日常

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「東雲、今夜頂いても?」
「わっ!?」
左耳の側で囁かれた声。
あまりにも唐突すぎて驚くしかない。
唾液を舌に絡めて啜るような音もおまけで。
窓ガラスから半身だけ出てくるこれは、ガレイド。
鏡の内の世界……鏡世って言う世界の住人なんだって。
だからこうして唐突に出てくる。
本当は合わせ鏡の状態でしか出て来れないらしいんだけど、
こっちの世界では鏡のような性質がある場所なら半身を乗り出せれるようになったらしい。
お陰で風呂場の湯船から出てきて、本当に驚いた。
「’これ’とは何だ」
「ごめん、ごめん」
彼の最大の特徴は体の内側が半透明で中が見えてしまう事だった。
だから、食べたものが見えちゃう。
……いろんな意味で変態だ。
「いや、待て。風呂場に出ただけで変態はないだろう?」
「いや十分だよ! なにが目的でもう……」
このままでは喰われてしまいそうだったので
またもや逃げるかのようにその場から去る。



<2012/03/14 16:19 セイル>消しゴム
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