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「……く、来るなら来いよ…！
　お、お前なんか ちっとも怖くなんかないぞッ…!!!」




… … …




「…あ、あれ…？」















※　　　※　　　※




“ドオオオオオォォォン……ォォン……ォン………”



鉄の扉を伝って 部屋全体がこだまして響く…
あまりに突然のサプライズに、部屋にいた全員の心臓が爆発しそうになった…

「…ま、まさかこんなに早いとは…」

あの冷静沈着のラティオスまで 冷や汗をかいた始末だ
失神した者も何人かいるようだが…

“がうるるるるる!!!”


「…しかも、もう空腹でイラだってる…
　こりゃあ 早くも生贄が必要になってきたねぇ〜♪」

カイオーガの放った呟きが 団員たちを扉から大きく仰け反らせた
そのおかげで、部屋が一段と広くなったような気がする

「今のルギアさんに お気に召すものといえば…
　どのようなものでしょう？」

ラティオスが続けた

「そうだねぇ、
　やっぱり、サッパリとした水タイプがいいよねぇ〜」

「そうですねぇ、そして貝の風味もあれば格段と…」

「だったらラッコだｎ…」

「ちょっと待てぇぇ!!!」

そこへ割って入ったのは 5番軍の軍長であり、
そして なぜかいつもルギアに狙われてしまうフタチマル…

「それ、オレへの当て付け以外のなんでもないだろ!!
　この組織のどこ探したって ラッコっていったらオレしかいねぇじゃん!!
　つか、なんでオレ!? ルギアさんによく食われるから!?
　大好物の イーブイの進化系でいいじゃん!!!
　マジやめて!! 昨日風呂入ったばっかなんだから!!」

「…はい、ごちゃごちゃ言ってないで行ってらっしゃい♪」

結局 部屋を追い出されたフタチマルは
足を引っ掛けて 豪快にスッ転んだ
しかも倒れたところは ジャストポイントで涎の水溜り…
この水源がルギアさんだということは明白だが、
いつもより 獣がかった咽せ返るような臭いだ
短時間でこんなに変わるものなのか…？

“ぐるるぅぅぅ…”

…なんてこと気にしている場合ではない
ものすごい形相で睨まれている
ルギアとは結構長い付き合いだが
こんな表情は 始めて見た… そして今までの中で一番怖い…
赤く輝くルギアの瞳から 顔を背けることができない

“がるるるるるる……”

ルギアがうなって牙を剥いた
そのときフタチマルの目にはっきりと、こびりついた赤いモノが見えた

…全身の血の気が引いた…
なぜなら今の今まで、てっきり いつもの丸呑みだと思っていたからだ…
ルギアの口の状態から察して…　おそらく…
って、牙の間に… 腸らしきモノが挟まってるじゃないか…
これは… マジで…やばい…感じだぞ…


“がううぅぅぅ……”

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