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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A

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雪の足音。

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「起きろ……」

「んぅ……グラエナさん!?」

目の前には巨大な顔があり、ロコンは一瞬飛び上がってしまった!

「そんなに驚くこと無いだろうが」

「す……すみません」

苦笑いをするグラエナにロコンは恥ずかしくなってしまう。

「まぁいい……だがどうする?『星の花』を一緒に取りにいくか?それともオレの棲みかで待ってる?」

「わ……私もついていきます!」

わざわざ自分のために一人で行かせるのは礼儀知らずだ。ロコンは慌てて鞄を担ぐとグラエナの前へ。

「お前の歩幅だと、棲みかに着くまでにはまた1日かかってしまうな。だからといってしがみつかせてはもし振り落としても気づかない。
しょうがない……オレの口の中に入れ」

「口……ですか?」

「その方が小さなお前を気遣う必要もない。呑み込まないから我慢してくれ」

さすがのロコンにも口の中というのは抵抗がある。しかし、グラエナだけに任せるわけにはいかない……ロコンは意を決してグラエナに身を任せた……!

「グバァ……!バクン!!」

粘着質な音が頭上から聞こえ、ゆっくりと見上げると自分など簡単に入れる洞窟のような喉、自分の身体くらいはある牙、そして姉のベッドよりも大きな舌が待ち構えていた。
ゆっくりとロコンを閉じ込め洞窟よりも真っ暗な世界に収まった……。

「では、いくぞ……!」

グラエナはロコンを舌の裏に押さえつけると勢いよく駆け出し……雪山を登り始めた……!



<2012/01/16 10:05 蒼空>消しゴム
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