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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A

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雪の足音。

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「もうちょっとなのに……だんだん険しくなってきたなぁ」

ロコンが見上げるとあと5kmも歩けば着くだろうという所まで来ていた。

「ふぅ……ちょっと休憩しようかな」

更に歩み進めると近場に雪風を凌げる洞窟を見つけた。……そこに飛び込むように入ってしまったロコンは、不用心だったと後に後悔する……。

「中は真っ暗……何も見えないや」

「……誰だ……?」

奥からグルルと唸る声と共に低い声が聞こえてきた。
そんな声にロコンは恐る恐る口を開く……。

「ど……どちら様でしょうか……?」

「こちらが聞いているのだ。答えろ」

ロコンは思わず問いに問いで返してしまい怒られてしまう。

「……雌のロコンです」

「……ほう……これは中々……じゃないか」

ギラリと光る二つの光。それが目と気付いたのは声の主……グラエナがこちらに気づいて身体が見えたからだ。

「別に噛み殺したりはしないから奥に来な」

「は……はい」

口は悪いが悪そうなポケモンにも見えない。ロコンも雪山に体力を使い、もう既にへとへとだったのだ。
グラエナの尻尾を見失わないようにそっとくわえながらついていくが、明らかに見たことのあるグラエナよりもはるかに大きい。
……それこそ姉さえでさえも丸呑みにできてしまいそうなほど。

「あんまり尻尾を引っ張るな。こちらも痛くてたまらん」

「す、すみません!」

慌ててくわえた尻尾を放すとだんだんと目も慣れてきた。いつの間にか広い空間に出る。

「ここが棲みかだ。どうしてここに来たのか教えてもらおうか」

「は、はい!実は……」

幼い子供のロコンなこともあり、『星の花』を探しに来たこと。姉のキュウコンがいることまで話してしまう。

「ほう……それは大変だったな。しかし、これから大吹雪で外にいたら死んでしまうぞ?」

「そうなのですかぁ……」

少し落ち込んでしまうロコンの様子にグラエナは溜め息をつく。

「確かに『星の花』は生えているから安心しろ。ここに棲んでいるオレも丁度あと1本しか持っていないのであげられないが……」

そしてグラエナが持ってきたものは間違いもなく、本で見た『星の花』。光り輝いてはいないが、確かにそれだった。

「ふん、しょうがない……明日になったらオレの分と一緒に数本取ってきてやる。だから今日はここで休んでいけ。」

そんなグラエナはロコンの鞄をくわえるとある一室へと来るように促す。部屋を貸してくれるようだ。

ロコンはそんなグラエナの好意に甘え、ゆっくりと休むことにした……。


<2012/01/16 09:41 蒼空>消しゴム
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