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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A

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雪の足音。

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「んっ……もう朝か」

グラエナが眠りから覚醒した頃……既に夜は明け、日が空に上がっているようだ。その証拠に眩しい日差しが洞窟を明るく照らしている。

「グラエナさん……」

「なっ!?」

グラエナは文字通り目を丸くした。理由は明解……足元にはロコンの姿があったからだ。ロコンの瞳にはもう疑心や不安が宿ってはいなかった。

あれだけの恐怖と絶望を与えた自分をなぜ信じられるのか分からなかった。
だからこそグラエナはロコンに背を向けて立ち去ろうとする……。

「グラエナさんっ!」

「!?」

ロコンに今まで聞いたことないほどの大声で呼ばれた為にビクリと身体が跳ねて一瞬立ち止まってしまう。

「もう私はグラエナさんを疑いません!私なりの解釈でしかないですが、ここで別れたくないっ!それでもまた食べたくなったら食べればいい……だからここで逃げないでください」

「あ……」

グラエナが自分に特別な感情を抱いてしまったことを見透かされていた。
それにもしここで逃げ出せばもう二人が出会うことはないだろう。後悔をずっと胸に秘めたまま生きていくことになる。

幼いながらも全ての事象においての『最善』を知っているのだ。ロコンが賢いことが分かる。

「お願いします」

「ちっ……そんなこと言われたら喰いづらくなっちまったじゃないか」

グラエナは口調が荒々しいが表情の方は綻んでいた。

「ふふっ」

「ふん……」

二匹は目が合ってしまう。しかしもう二匹とも迷いがなかった。

「ロコンー!手伝って!」
「お姉ちゃんが洞窟の外でご飯の用意してくれてるんだった!グラエナさんも行こう」

「世話がかかる姉妹だな。デザートにお前たちをいただこうか」

「そんなこと言って食べれないくせにー」

「ちっ……賢い獲物だ」








これでロコンとグラエナのお話は終わり。
それ以来、時折雪山には巨大なポケモンの足跡と一緒に小さなポケモンの足跡が見つかるようになったそうだ。


雪の足跡 完結。
11月10日ここに記す。


これでおしまいですっ!

バックアップ取らずに一度はエラーで全消し食らい、萎えて書かなくなっていましたが今日完結させました♪

最近の作者さんは日常系が多いですが、ネタが被りすぎて上手い、下手の判断材料を増やしているのだがいいのだろうか……?
同じような内容の話は文章力がある人にしか難しいですよね……w

<2012/11/10 20:28 蒼空>
消しゴム
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