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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A
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傭兵団の休暇
− 放浪の医師 −
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「なんかタツヤ君、感じ変わったね〜。もしかしてポケモン捕まえたの?」

突然会話を大きく外れて口にしたクロスの言葉に、俺は返答に詰まる。

こいつの勘はとにかく鋭い。半ばこれで仕事をしていると言っても過言じゃないくらいだ。

「どんなポケモン!?僕がみてあげようか〜?」

俺の表情を肯定と取られて満面の笑顔でそう言うクロスに、俺は苦笑いを浮かべた。ここで断るとごねるから面倒なんだよな…。まぁ、断る理由も無いんだけど…。

因みにクロスの本職は精神科医だ。だがその鋭い勘と洞察力から、ポケモンの性格や個性、そして精神(こころ)を見極めて、どう接したから良いかを助言してくれる、言わばトレーナーとポケモンの間を繋ぐアドバイザーを副業としている。

俺は精神科医として世話になった事があるけど、アドバイザーとして見てもらうのは勿論初めてだ。密接にポケモンと接した無かったし…。

レシラムと、もっと分かり合うのに役立つかもしれないし、ここは甘んじてクロスにお願いしようかな。

「…それじゃ、よろしく頼むよ。クロス」

「やった!それでどんなポケモン?見せて見せて〜!」

ぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜ぶクロス。子供のようだが、これでも俺と同じ歳だ。正直言って信じられない…。

とりあえずクロスに外に出るように言うと、俺はテントから出た。

レシラムはテントの横に身を横たえていた。出てきた俺と目が合うと、起き上がって無言のまま身を寄せてきた。そんなに心配だったのかな?

「ワ〜オ!伝説のポケモンか〜!こりゃ凄いや〜!」

後ろに続いたクロスが、レシラムを見るなり賞賛の声をあげながら目を輝かせる。

「タツヤ。誰だこいつは?」

「話してた知り合いだよ。名前はクロス」

「よろしくね〜!」

俺が肩を並べて紹介すると、クロスはいつもの調子で手を振っていた。

レシラムは少し怪訝そうな表情を浮かべ、怪しいものでも見るような眼差しでクロスを見下ろしていた。

そして、「こいつ大丈夫なのか?」と言いたげな目が俺に向けられる。「大丈夫だよ」と小さく呟いて頷くしかなかった。

クロスの場合、見た目と口調でかなり損してると思うのは気のせいじゃないはずだ。

「それじゃ早速診察と行きましょ〜か〜」

「気をつけろよ?」

「大丈夫大丈夫〜!ちょっとこっち来て〜、可愛いレシラムちゃん!」

クロスの一言に、俺は頭から盛大にずっこけてしまった。


毎度ながら、意見や誤字指摘などありましたらよろしくお願いします(ペコリ
<2012/01/31 07:57 黒猫>
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