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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A

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傭兵団の休暇
− キャンプ −
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タツヤからきゃんぷ?の方角とだいたいの場所を聞くと、身を屈めて彼を背中に乗せてやった。

背中に跨り、しっかり掴まったのを確認すると、私は元の態勢に戻り翼を広げ、目一杯羽ばたかせて空気を強く切ると、空に飛び上がった。

全身で風を切り、ぐんぐんと上昇していく。ある程度上がると、風を捉えた私は翼を広げたまま滑空していく。

「そういえばタツヤ」

「ん。なに!?」

後ろに目をやると、タツヤは空気の抵抗に逆らわないよう、私の背中にしっかり伏せてしがみついている。少しきつそうだな。ゆっくり行くか…。

「その、キャンプという所には人が集まるのだろう?大丈夫なのか?」

これでも周りからはかなり目立ってしまう身のため、人の多い所だと大騒ぎになってしまう。

実際に一度、タツヤと共に街に行った事があったが、周囲からの視線が凄かった。それにやたらとタツヤに人が群がり、彼にも迷惑をかかってしまった。

またあんな事になると、少々面倒だ。

「大丈夫だよ。向こうには俺の知り合いが居るから、そこに行けばそんなに人は集まらないと思うし…」

「そうか」

なら安心だ。知り合いか…、彼が言うのなら大丈夫だろう。

だが、どんな人間なのだろう…。まぁ、すぐに会う事になるか。



ふとタツヤを見て、背中に掛けている武器が目に入った。

タツヤは武人だ。しかも、自分や国を守るためでは無く、誰かのために雇われて戦う傭兵…。

初めて出会った時から、その風貌で普通の人間では無いのはわかった。だが、常に戦いに身を置く傭兵だとは、流石に分からなかった。

彼が戦う時は、私は何時も離れた所で待機させられる。この大きな体では、相手に簡単に見つかる上に、的になってしまうらしい。特に今回の森のような入り組んだ所では、動き回るのも大変だ。

そんな事を踏まえて心配してくれるタツヤは、一人でこなせる仕事(戦闘)と言うのは何時も一人でこなしている。

だが、正直私はそのタツヤの事が心配で仕方がなかった。昔、私が側に居ながらにして守れなかった"主"と同様、タツヤも私の前から突然居なくなってしまわないか…。もしそうなったら、悔いるにも悔いきれない。

どうにか、共に平和な所で穏やかに暮らす術は無いものか…。

「見えてきた。あそこだよ」

タツヤの声に我に返ると、先に森の開けた場所が見えた。どうやら彼処らしい。

私はゆっくり速度を落としつつ、降下していった。


今更ですが、今回も話が主体になりそうです…。

出来るだけ早くいけるように頑張ります!
<2012/01/26 21:02 黒猫>
消しゴム
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