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傭兵団の休暇 − 旧・小説投稿所A
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傭兵団の休暇

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「とりあえず、今は二人で良く話し合ってみると良いよ。お互いに擦れ違ってる事もあるんだし」

「あぁ、そうするよ。よく考えてみたら、初めて会ったときから1ヶ月経つけど、本腰据えて話した時あんまりなかったし…」

「うんうん、それが良いよ」

クロスに促されて、俺はM21のスリングを肩に掛けて立ち上がった。弾倉を抜いてあるとは言え、銃本体が大型なので結構重い。

「そういえばさ?」

ふと思い出した事があって、俺はクロスの方に振り返った。

「ん?何?」

「避難キャンプだけど、妙に人が出歩いて無いな。なんかあったのか?」

普段の避難キャンプなら、それなりに賑わいをみせている。

支援の配給に並ぶ人だったり、無邪気に走り回る子ども達が居たりする。

だけど今回に限って、昼間だってのに全然人が出歩いてないって言うのはおかしい話だ。

「ああその事。実はね…、最近このキャンプが隣国の軍事組織に狙われててね」

「…なんで?」

「詳しくは僕も知らないよ。何でも、戦火を逃れてここに避難して来た人達を、向こうは自国を捨てた裏切り者だって勝手に決めつけてるみたいでね。それでちょくちょく、ちょっかいを出してくるんだよ」

「ちょっかいでどんな…?」

「昨日もキャンプの近くにロケット弾が飛んできたよ。配給拠点のテントが吹き飛んだらしいね。まっ、無人だったから怪我人が居なくて良かったよ」

…なんか俺、面倒な所に来ちゃったんじゃね…?こんな所で戦闘に巻き込まれるの、俺嫌だよ。弾の無駄だし…。

「まっ、何かあった時はタツヤ君!お願いね〜」

「…傭兵が無償(ボランティア)で戦うと思ってんのか…」

「何言ってんの〜。今回の鑑定料と君の報酬でトントンて事で〜」

「ぶっ!ぼったくりすぎだろそれ!弾代だって馬鹿になんねぇんだぞ!」

「なら傭兵を潔く止める事だね」

「うぐ…」

突然真面目な顔になって痛いところ突いてきやがって…。

「まっ、これだけ言っても止めないだろうけどさ…」

少し諦め気味の口調で締めくくると、クロスは顔を伏せていた。

…それでも俺は、真相を探るまで戦うまでさ…。

「ささ、早く行ってきなよ。レシラムがきっと待ちくたびれるだろうからさ」

「ああ、そうするよ」

M21のスリングを肩にかけ直すと、クロスに背を向けテントの敷居を跨いだ。



いろいろ忙しくなりすぎて更新できないで居ました…。

えっ?誰だか分からない?ですよね〜。

とりあえずちょくちょく更新出来るように頑張ります…。
<2012/05/09 19:49 黒猫>
消しゴム
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