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白夜の妖狐 − 旧・小説投稿所A

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白夜の妖狐
− その時 −
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「……」

シフが顔を逸らす。

当然じゃろうな……

突然狂った様な事を言われて理解し、頷ける者など

そうそういないじゃろう。

「勿論……喰い殺すつもりは無い。ただ、喰らいたいだけなんじゃ……」

「九尾さん……」

「胃袋にも収まってもらう訳じゃが、消化もせぬ……じゃから」

「分かった……仕方ないもんね……」

一瞬、耳を疑った。

他者の体内に収まる……

身の毛もよだつ事柄に頷くなど、よっぽどの変人ぐらいだろう。

己の心が生み出した幻聴だと考えもう一度問いた。

「い、今何と……?」

「良いよ……って言ったの。でも、約束だよ?絶対に殺さないでよ?」

「……うむ……然りじゃ」

躯が歓喜に震えるのが分かった。

じゃが、獲物を捕らえた訳ではない。

同意あっての捕食じゃから、

加虐や喰い殺さぬ様に細心の注意を払わねばの……

「の前に……主、服を脱げ」

「あ、うん……てっ、え!?」

「吐き出されてベタベタな服は着たくないじゃろ?」

その一言で納得がいった様にシフが服を脱ぎ始めた。

数秒もしないうちに上半身が晒された。

「フフっ……」

四つの尾を四肢に縛り付け、地面に優しく降ろす。

「き、九尾さん……これは?」

「もしもの時の拘束じゃ。余計な事で主を殺めたくないからの」

「あ……うん……」

シフの体を舐める様に見つめる。

細い体の割にはしっかりとしており、筋肉もあれば脂肪もある。

二の腕や、太腿辺りは噛み付いたならばそれはそれで良い。

美味そうな食べ頃の体。

儂は思わず口元を舐めずった。



<2011/12/17 16:29 セイル>消しゴム
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