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すっかり体調も快復し、食物を受け付けるようになった。

シフも始めは数日のつもりじゃったようじゃが

心配でかれこれ一週間も付き添ってくれた。

当初の様に気まずさは無くなり、くだらない話で笑い合える程。

「主よ……」

そして、新たな悩みが生じ始める……

元々、儂の主食は人間じゃ。

これまでは精神的事情で人間を喰らうのを避けてはいたが、

その枷が外れてしまった今では極上の主食を目前に

食欲を抑えるのが精一杯だ。

勿論、シフを喰い殺す様な真似はしとうない。

丸呑みにして、消化前に吐き出すつもりではいるが……

それをシフに伝えて、頷くとは思えない。

「悩みがあるんじゃが……聞いてくれるかえ？」

「悩み？　どうしたの？」

「儂の主食が主ら人間だと言う事は前にも言っておろう？」

「うん……そうだけど？」

一瞬、シフの体が硬直するのを感じられた。

恐らく、次の儂の言葉を推測できたんじゃろう……

「儂は……儂は、主を喰いたい」

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