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白夜の妖狐 − 旧・小説投稿所A
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白夜の妖狐
− 掠める思い −
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「げふっ……美味いの……人間は」

呑み込んだ空気を吐き出し、口元をじゅるり、と舐めずる。

そして、前足の甲で拭う。

喉の小さい膨らみはシフの温もりを感じられる。

人間を喰らった現実を感じる為に喉に前足で触れる。

「くふっ……食道を通っておるのぅ……」

あながち掴む様に膨らみを感じておった為に嚥下が遅くなっておったようで

シフを胃袋に飲み下すのに数分もかかりおった。

「ふぅ……やっと腹に収まってくれたの」

よく見れば、口元から首辺りまで唾液でべとべとじゃし、

零れ滴った唾液で唾液だまりまで出来ておる。

……責めすぎたかのぅ。

「シフ=ベルセイル……何と美味くて可愛い奴じゃの」

儂は何時もよりちいとばかし膨らんだ腹を抱える様にして抱きしめる。

シフが儂の腹に、胃袋に収まっておる。

支配欲にも似た幸福に満たされ、腹に耳を当てる。

とくん、と確かに感じられるもう一つの命の脈動。

「//////」

自然と頬を紅くしてもうた。



<2011/12/22 23:10 セイル>消しゴム
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