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シュルツのアルバイト☆ − 旧・小説投稿所A

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シュルツのアルバイト☆

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シュルツの部屋は意外ときれいに整理されており、辺りを見回してみても、綿埃等は見あたらない

彼は意外と綺麗好きのようだ

そんな部屋の中で、ソラは椅子に、シュルツはベッドに腰掛けながら、お互いに向き合い話し合っていた

「そんな事があったんですか…」

ソラの言葉にシュルツは頷いた

彼はグライフに言われた事、金が足りない事などを話したのだ

「私も、お金があればお貸ししたいのですが…すみません…」

「気にしなくて良いよ。自業自得だから」

ソラの気遣いにシュルツは笑って返した

彼女の気遣いが嬉しかったのは事実だが、ソラの年齢では働いて金を稼ぐ事が出来ないと、シュルツは知っている

この世界では、16歳になるまで働く事は出来ないと決められている

もちろん小説やアニメの収録、アルバイトはこれから除外されるが、ソラの年齢は15歳。働くにはあと一年ばかり足りないのだ

「でも、ソラに相談出来て良かったよ。何か心がすっきりした」

「そうですか? そう言ってもらえると私も嬉しいです」

そう言うとソラはまた、にこりと笑顔を見せる

彼女は貴族出身で父親の地位を受け継ぎ、パスレイという名の小さな城塞町の町長という設定が付けられ生まれてきた

その為、容姿はどことなく品があり、日常生活の行動も、貴族を連想させるような雰囲気をまとっているのだが、別に近寄りがたいという事はない

ただ、彼女の笑顔は、そんな貴族らしさを感じさせない、柔らかく、温かな笑顔で基地内でも高い評判を得ているのだ

そんな笑顔を間近で見たのだから、シュルツが照れて視線を明後日の方向に向けるのも無理はなかった

彼の心は、ソラに悩みを話せて軽くなったために、余裕が生まれ、もうちょっとだけ頑張ってみるかという考えを発生させる

「金を借りるのは…本当に頑張っても駄目だったときだよな…」

「え、何か言いましたか?」

「いや、何でもない。」

「では、私はこれで失礼しますね」

「うん、今日はありがとう。助かったよ」

「礼には及ばないです」

ソラはペコリと頭を下げると、部屋から出ていった

一人、部屋に残されたシュルツは、ふぅと息を吐くと、ベッドにゆっくりと横になる

「もう少しだけ・・・頑張ってみるか・・・」

僅かに口角を上げながら呟くと、心境の変化によってこれから夜に始まるであろうアルバイトに向けて、睡眠を取ることにした



<2012/01/11 16:57 雪風>消しゴム
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