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神々の戯れ〜水神の苦手なもの〜 − 旧・小説投稿所A

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神々の戯れ〜水神の苦手なもの〜

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水神は度肝を抜かれた。
宙に浮いていることにも驚いたのだが、それよりも所長の奇妙すぎるいでたちに驚愕したのだ。
真っ赤なスーツ(しかも上下で)というだけでもインパクトが強いというのに、顔は包帯でぐるぐる巻きになっていった。

「月夜……、じゃなくて津木さん」

「……凄ぇな」

どうやら月夜兎も驚いているらしい。
だがこれは序章に過ぎなかった。

「はじめまして。津木さんと水神さん」

所長はふたりの名前を言ったのだ。
こちらが名乗っていないのに何故名前を知っていたんだ?
盗み聞きをしていたのでは、と最初月夜兎は思った。
だがすぐにそれは違うということに気付いた。
何故なら日戸に名刺を見せはしたが、月夜兎も日戸も声に出して名前を読み上げるなんてことはしなかったからだ。

「私はこの地の守護神の使者です。この地の自然を守るために守護神は私を遣わしました」

所長のいきなり電波発言に月夜兎は思わず。

「人間を使者にするなんてまどろっこしいことを誰がするか」

と心の中でつっこんだ。

「私どもの取材によるとあなた方は土地を不法に占拠しているとのことですが」

水神は手元にある取材用のメモ(に見せかけた月夜兎が作ったカンペ)を見ながら質問する。
すると

「大地は神が我々に与えたものです。誰か個人のものではありません。だから土地の不法占拠という考え方はおかしいのです」

という意味不明なことを言い出した。
こりゃ確かにキチガイだ。
話は通じそうにないな、とふたりは思った。



<2011/09/11 19:13 とんこつ>消しゴム
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