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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜 − 旧・小説投稿所A

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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜

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「水神の奴、今頃めちゃくちゃキレてるんだろうなぁ」

湖のほとりで月夜兎はぼんやりと湖面を眺めていた。
そしてスマホを取り出し、改めて時間を確認してため息をつく。

AM3:03

いわゆる草木も眠る丑三つ時。
でもって水神が見たいと言っていた映画は昨日の午後9時から。
時間オーバーもいいところである。
大蛇との対決ですっかり時間を食ってしまっていたのだ。

「あーあ、大蛇が襲ってこなけりゃこんなことにはならなかったのにな。やっぱり蛇は嫌いだ」

月夜兎は立ち上がり、湖面に向かって思い切り石を投げた。
その時だった。
何かが水中から姿を現し、その何かに石がクリーンヒットしてしまったのだ。

「えっ……」

月夜兎はわが目を疑った。
その何かとは、あろうことか水神だったのだ。

「誰だよ石を投げた奴ー!今の私は虫の居所が悪いからただじゃおかないからね!……あっ!」

水神の姿を確認した月夜兎は脱兎のごとく逃げ出そうとする。
しかし

「我が眷属の水よ、あの馬鹿あほボケ兎を捕らえろーッ!」

という水神の咆哮じみた呪文により月夜兎の周りから水が噴出した。

「ヤバイ!」

月夜兎はジャンプして回避しようとしたが、上から大量の水が降り注いできて押し戻されてしまう。
気付いたときには月夜兎は球形の水の塊の中に閉じ込められてしまっていた。

「どう、水の牢屋の中は?涼しげでいいでしょ」

背後から聞こえてくる水神の冷たい声。
月夜兎は頭をフル回転させて最適な言い訳を考えることに全力を注いだ。



<2011/09/13 14:51 とんこつ>消しゴム
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