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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜 − 旧・小説投稿所A

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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜

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月夜兎は蛇が苦手である。
普通の蛇を見ただけでもドキッとするぐらい嫌いであった。
月夜兎は兎たちの怨念の集合体なのだが、その中でも月夜兎という存在の核を成す兎の魂がいた。
その兎の魂が蛇を激しく恐れていたのだ。
何故ならその兎は大蛇に食べられてしまったからである。
まあ簡単に言ってしまえば月夜兎は(直接的な)前世で大蛇に食われたから怖いのだ。
足の速い月夜兎は大蛇を突き放して逃げ切れたかに見えた。
だが

「あれ?ここどこだよ?」

道に迷ってしまった。
しかしまだ軽いパニック状態の月夜兎は冷静な思考が出来ず、フラフラと当てもなく彷徨う。
やがて切り立った崖に行き当たった。

「これは上るの大変そうだな」

月夜兎が足に力をこめて跳躍しようとしたその時、あの大蛇が茂みから姿を現した。

「さあ、おとなしく食われろ」

大蛇がゆっくりと迫ってくる。
まさに蛇に睨まれた蛙状態になった月夜兎は頭の中が真っ白になった。

「やめろ、やめろ……!」

あの月夜兎が目に涙を浮かべていた。
竜神にも平気で喧嘩を売るような月夜兎が泣いていた。
必死で後退りするも、背後は切り立った崖。
あっという間に追い詰められてしまった。

「本当に美味そうだ。私の血肉となることを誇りに思うがいい」

大蛇は鎌首を上げ、一気に月夜兎にかぶりついた。
月夜兎は第一撃こそは回避したものの、足が言うことを聞かずこけてしまう。

「くっくっく、怯えた兎の血は冷え切っていて美味いからな」

大蛇は転倒によって出血した月夜兎の傷口を器用にピンポイントで舐めあげる。
そして間髪入れずにくわえ、そのまま丸呑みにした。

「むぐ、んぐ……」

肉壁がこれでもかこれでもかと言わんばかりに月夜兎のことを圧迫する。
やがて消化液なのだろうか、とにかく液体がどこからともなく出てきて月夜兎の体にまとわりついて潤滑油代わりになったおかげできつさが軽減される。

ぶちゅ…、ぐにゅ…、ぬぷ…

だが同時に月夜兎の体もゆっくりと溶け始めていた。
あはは、なんだかぬるぬるしてるけど気持ち良いかも。
だがその一方で体の末端から感覚が奪われていく。
それが発端となって月夜兎は激しい恐怖に襲われた。
あの時と同じだ。
私は生きたまま溶かされる。
消える、きえる、キエル……。
月夜兎は最後の悪あがきと言わんばかりに顔を肉壁へと押し付ける。
あれ、この感触は……


<2011/09/10 10:47 とんこつ>消しゴム
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