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消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜

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落ちた。

「いやだあああああ!!!」

舌の海のど真ん中に落ちたニドキングは、
すぐに起き上がり、舌の上を必死に走り抜けて穴に戻ろうとした。しかし…

穴は、今にも閉じようとしている。


「あああ!嘘だろ、おい!」
そういってる間にも穴は小さくなり、
直径10cm程になっていた。

「待って!待ってくれえええええ!!」

ムニュウウン…

穴は見えなくなった。
密室となった舌袋で、舌と2人きり…

「へへへぇ…僕の舌も歓迎してるみたいだよ?」
グニグニとうねりながら、舌の先が近づいてくる。

「あああ…やめろおおおおお!!来るなあああああああああ!!!!」

「久しぶりの…獲物が来た事をさ。」

グニュウン、グニイイン!

一瞬で巻き付かれた。
舌はまるで生き物のようにしゅるしゅると巻き付いており、舌の海に引きずり込む。

じゅぷぷ…ズプウッ…
「や、やめてくれ!助けて…」

そして、ニドキングを恐怖に突き落とす
言葉が投げかけられる。

「じゃあ、僕はこれで♪」
「え、おい!待ってくれよ!」
「体内に話しかけるの疲れるんだよ。」

「そ、そんな…まって!置いてかないでくれぇ!頼む!」
しかし…

「それじゃあ後は任せたよぉ〜…」

舌は理解しているようだ。獲物をくれたご主人様に感謝しているようにも見える。

カイオーガの声が聞こえなくった。

「やだ!ちょっ、助けてくれぇ!」
…ジュプ…ジュムリ…ズププ…

気がつくと下半身は全て舌の海に埋もれていた。このままじゃ…

「くそ!」
必死に体を動かして抵抗するが、柔らかい舌の前では無力だった。

腹、胸から舌が蛇のように這い上がってくる。
早く引き込みたいようだ。

…ペロリ…舌が意思があるかのように
顔を舐める。
恐怖が頂点に達した。

実際意思は無いが、この舌は生きている。
カイオーガが寝た時、又はカイオーガが舌の操作を一時的に止めた時、
この舌は自由に動ける。
そして今、目の前(目ないが)には一匹の怯えた餌、やる事は決まっている。

…ムニュウ…クチャア…

「むああ…やめ…ろぉ…」
舌の激しい舐め回しに、ニドキングは喘ぐしかない。「助けて」と…

「だ、誰かぁ…俺を…」
舌はニドキングの胸まで引きずり込み、
呼吸を苦しめる。

「あがぁ…」
とうとうニドキングの体は、顔以外の全てが呑み込まれた。もう逃げられない。

…ジュムム…ブニュウ…ギュムムム…
「あ…ぁぁぁぁぁ……ぁ」
小さな悲鳴をあげながら、ニドキングの体は見えなくなった。




















しかしこれは虐待ではない。
いじめ返しでもない。罰である。
カイオーガが流した涙だけの罰なのだ。
そしてその罰の名前は…


「永久幽閉」



これからニドキングは、ずっと舌に包まれて生きていく。身も心もずっと、柔らかく、温かい舌に埋もれて…





舌の海が、嬉しそうにグニグニと蠢いていた。



<2011/05/15 13:42 ロンギヌス>消しゴム
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