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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A

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『運命』の記憶
− ETERNAL −
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music:『甘き死よ、きたれ。』

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「最低ね私…なんで止めなかったの…」

ポケモンリーグ最深部…チャンピオンを倒した者しか入ることを許されない、殿堂入りの部屋。
レムリアは大理石の美しい壁に、自分の身長ほどもある巨大な槍を見つけた。

ラティオスやカイオーガが流した・・血のように赤い槍を・・




「……本当に…ごめんなさい…!!」

透きとおったブルーの瞳に、哀しみに満ちた涙がにじんだ。死んでしまったという実感が、全く湧かない…
自分に催眠術をかければ、夢幻の中でまた逢えるかもしれない。だがどうせ目覚めれば、現実に絶望するだけだろう。

目を閉じれば見える、カイオーガの笑顔やラティオスのしかめっ面。今はその全てが、残像でしかない思い出だ。
出会いから死の瞬間までが、色濃くまぶたの裏に残っている。


「写真ぐらい…撮ればよかった…」

自分がどれだけ彼らを愛していたのか、その時初めて知った。残念ながら形としての思い出は、何一つとして残っていない。繊細な心に、二匹の早すぎる死は厳しすぎた。


「…っ…ぅう…!!」

早くバビロンを倒なければならないのに…涙が止まってくれない……冷たい床に、数え切れない涙が雫となって落ちる。目を真っ赤に泣き腫らしながら、レムリアは黄色い自分のメモリを取り出した。


カチッ…『LUNA(幻想)!!』

「何よ…何も起こら…起こらないじゃない!!」

『幻想』の力なら、死者だって蘇るはず…
単純にそう考えたレムリアの思いは、儚げに潰えていった。
しゃくり上げ、何回もスイッチを押すが、メモリは頑として作動しない。


「どうしてよ…何がヒトの…人類の力よ!!」

役に立たない科学の塊を、ゴミのように床に叩きつけるレムリア。
悲しみは虚しい怒りへと変身し、彼女の心を壊しかけていた。




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「…でも忘れないわ…あなた達の願い…」

カイオーガもラティオスも、銃弾から仲間を守ろうとして死に絶えた。お粗末にもこの部屋で泣いているだけなど、彼女のプライドが許さなかった。悲しみは尽きるはずがないが…彼女の魂に刻まれた想いもまた、不滅のものだった。


泣いて得られるものなど何もない…そう気付いた瞬間だった。とうとうロンギヌスの槍を手にして、レムリアは踵を返す。



<2011/06/18 19:38 ロンギヌス>消しゴム
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