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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A

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『運命』の記憶
− 喰わせやがれ −
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「おい…バビロン…」

「ん?怖気づかずに来たのか。」

暇を持て余していたバビロンの前に、空間の裂け目からロンギヌスが現れ
た。T4設計図、そしてメモリケースを汗ばむ手で握りしめ、悲観的なオ
ーラを漂わせている。



「お前を殺すために爆破したのだがな…あの兄弟は元気にしてるか?」

「…死んだよ。あまりに無能な…トレーナーのせいで。」

「フン…大正解だ。お前にあの二匹は荷が重すぎると思っていた…
わざわざ処分してやったのだぞ?」

「黙れ・・」

ロンギヌスは震える唇で、消える事のない怒りを絞りだした。それ
に対してバビロンは、格好の獲物を目の前にしているためか、十秒
に一回は舌舐めずりを見せている。こみ上げる食欲を無理に抑え、
ヒクヒクと狂気じみた笑顔もこぼす。

「いいから早くかかってこい…♪ お前が喰われ好きなのも調査済みだぞ?」

「・・・・」

一秒でも早く喰らいたいがために、挑発的な言葉を吐くバビロン。自分
の弱点を突かれ、ロンギヌスは一歩引いた。しかし気が付けば、『ガイ
アメモリ』という唯一の武器を取り出し、一心込めて叫んでいた。



「俺の恩人を馬鹿にするな…死んでもあいつらは…仲間だ!!!!!」

ガチャ…!!!

『AIR COVER (航空支援)』
『BOMB(爆弾)』
『CYCLON(疾風)』
『DUMMY(偽物)』
『FANG(牙)』
『GEAN(遺伝子)』
『HEAT(熱)』
『ICE AGE(氷河期)』
『JOKER(切り札)』
『KEY(鍵)』
『LUNA(幻想)』
『METAL(闘士)』
『NASCA(ナスカ)』
『OCEAN(海洋)』
『P.E.(超能力)』
『QUEEN(女王)』
『RADIATION(放射能)』
『SKYPIA(大空)』
『TRIGGER(銃撃士)』
『UNICORN(一角獣)』
『VIOLENCE (暴力)』
『WIZARD(魔法使い)』
『XTREME』
『YESTERDAY(昨日)』
『ZONE(地帯)』

『MAXIMUM DRIVE(マキシマムドライブ)!!』

全メモリの力を集結させた、最強と呼ぶにふさわしい攻撃。ロンギ
ヌスの拳に緑色の光があふれ出し、眩いばかりに輝きを放っていた。
そして・・・


『ETERNAL(永遠) MAXIMUM DRIVE(マキシマムドライブ)!!!』

「う…があああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

今は亡きカイオーガ。彼のメモリを胸に差し込み、狼のような雄叫びを
上げるロンギヌス。体内にみなぎる凄まじいエネルギーが、抑えられな
いのだ。血相を変え、怒りを露わにして突っ込む。


「馬鹿か…お前のメモリで私を破れるはずが…」










ロンギヌスのパンチが生み出した衝撃波は、壊れたイスを粉々にし、壁に大きな穴を開けた。常人ならば近くにいただけで吹き飛びそうな破壊力に、ロンギヌ
スは腕の骨が折れるのを感じた。







「だから言っただろう…?」

「くぁっ…そ、そんな…!!」

バビロンは癖のように舌で口元を舐めすり、余裕の笑みを絶やさない。
26本分のメモリを使い…最高のダメージを与えたはずが…ほとんど効い
ていなかった。役目を果たしたメモリ達が、バラバラとやかましく床に転げ落ちる。




ジュゥル…

「あ・・」

失意に打ちひしがれている暇など無かった。バビロンが恐怖感が募る
ほどのにっこり笑顔で、涎をたっぷり垂らしながら見下ろしていたのだ。
逃げようにも、脚と手が震えて動かない。


「ハハハ…怖ければ逃げればいいものをな…♪」

耐えられない食欲が、とうとう限界点を超えた。ガプァッと大量に
涎を吐き出しながら、ロンギヌスの肩から上をすっぽり咥え込む。
唾液に身を包んだ舌肉に強制キスを施され、ますます身動きができ
ない。おまけに竜と言うだけあって、舌は相当デカい。


「ああっ…ああああああっ!! あーあああああっぁぁあっああ!!!!」

「チャンピオンさんよ…美味いじゃないか。」

泡立たないシャンプーのような唾液が、口内なので容赦なく降りかかる。
さらに鼻を取り外したくなるほどの悪臭に、ロンギヌスは言葉にならな
い悲鳴を上げた。そんな地獄の空間と付きあった5分間は、今までの
どの5分より長く感じられた。

「ほれほれ味わえ弱虫が…嬉しいんだろう…?」

「く…くせぇっ…何だこれ…」

「威勢がいいのは嫌いじゃないが…これでどうだ?」

ロンギヌスにもこれは予想外だった。今までの捕食者とは違い、
いきなりゴクンと呑み込まれたのだ。喉肉にグヨグヨ押し込まれ、
鼻の曲がりそうな臭いに満ちた食道に突入する。狭さと柔らかさ
だけが取り柄の肉壁に揉まれ、しばらくすると、さらに臭い臭い
胃の中へと排出された。


「うぷっ…だ、誰か…!!」

人工竜とはいうものの、もちろん胃袋は胃袋。胃壁という、獲物を愛撫
してしまう肉の壁。そしてそれに覆われた、取り込んだ相手を血肉とさ
せる空間・・
そしてロンギヌスはさっそく…
そのグミのように柔らかい壁の遊び相手をさせられていた。


ぐっちゅぅ…? ぬぷぅ…むにょっ…くちゃぁ…

「ひぐ…あふっ…ぶうぅ…ぅ…」

「どうだ…? 体内で死を待つ気分は。残らず消化してやるから期待するんだな…」

獲物に押し出された空気が、ゲップとなってバビロンの口から漏れる。
それを最後に、バビロンは何も返事をしなくなった。
胃袋の床にあたる部分には、ドロリと湖のようにして体液が溜まって
いた。ロンギヌスは足を滑らせてそこにダイブしてしまった時の事を
考えたが、絶望しそうなので慌てて首を振る。粘液で溺れて死ぬなど…
恐ろしすぎる。






「あ…こ、これは…」

何か使える物はないか…ろくな期待もせず漁った懐の中から、一本の
メモリとT4メモリの設計図が出てきた。古い羊皮紙でできた設計図
なので、粘液にもうすぐ侵食されそうだ。そしてメモリには…こう刻まれていた。



『FACTORY(工場)』



<2011/06/17 21:02 ロンギヌス>消しゴム
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