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幼さ故に − 旧・小説投稿所A

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幼さ故に

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◎それから7年後の6月30日

「どうだ、水浴びは気持ちよかったかー?」

私は機動隊から借りてきた放水車の窓から顔を出してコタロウに尋ねた。

「佐藤警部補、こんなちょろちょろした水じゃそんなに気持ちよくなれませんよ。もっと水がドバーッと出るのないんですか?」

目の前にいたコタロウが不満の声を上げる。
体長30メートルあるコタロウからしたら放水車の放水なんてその程度なのか。

「まったく、7年前は普通のホースで事足りていたのがウソみたいだな」

私は7年前のことを思い出す。
あれから7年か、早いものだな。

「佐藤さん、今日はオイラの……」

「分かってるよ。今日はお前の誕生日だ。プレゼントもばっちり準備してあるぞ。ほら」

私は放水車の横に停めてあった軽トラの荷台にかけてあったカバーを外した。

「おお、これはケーキ!しかもなんか大きい!」

荷台には特大のケーキを載せてあった。

「業者さんに頼んだんだよ。ウエディングケーキよりもでっかいケーキを作ってくれってね。どうだコタロウ、これならお前も食べた気にはなれるだろう?」

まあこれでもコタロウからしたら一口ケーキ程度だろうが。

「ありがとうございます。じゃあ早速いただきます!」

コタロウは皿代わりの軽トラを軽々と持ち上げた。
……荷台に私を載せたまま。

「あっ」

私の視界に映ったのは健康的なピンク色をしたコタロウの舌。
悲鳴を上げるまもなく私はケーキごとコタロウの口の中へと絡めとられてしまった。
……オイ、ウソだろ!


コタロウ「ラストはオイラ視点に戻るよ!」
<2011/08/09 22:23 とんこつ>
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