Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

幼さ故に − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
幼さ故に

|<< < 11 / 11 > >>|

ホント佐藤さんは太っ腹だなぁ。
オイラはケーキを堪能しながらそう思った。
もしオイラが部下を持つことがあったら、佐藤さんのように寛大に接しよう。
それにしても最近のオイラはなんだかんだで実績を上げてるんだから、いい加減『特殊生物3課計画』の凍結を解除してもらいたいもんだ。
多分佐藤さんも賛同してくれるに違いない。

「ん?」

何だコレ?
表面はゴワゴワしてるけど、中身は柔らかい感じだ。
おもしれー。
オイラはそれを舌で突っついたり、舐め回したり、甘噛みしたりした。
これまるで人間みたいだなぁ。
……ちょっと待て!
これもしかして!
オイラはケーキだけを粗方飲み込み、舌の上に残ったそれをそっと軽トラの荷台の上に吐き出した。

「佐藤、警部補……」

それはケーキとオイラの唾液まみれになった佐藤警部補の変わり果てた姿だった。

「コタ、ロウ……」

佐藤警部補は息も絶え絶えに小さな声で呻く。
どうしよう!上司を食べちゃったよ!

「佐藤さァーんッ!!」

埋め立て地にオイラの叫びが響き渡った。

この後佐藤さんはどこぞの兎みたく被食フェチに目覚める、わけもなくオイラはとても怒られた。
七年間生きてきて一番怒られた。
『特殊生物3課計画』の凍結解除はまた遠くなってしまったのは言うまでもない。
嗚呼、オイラって本当に馬鹿。

おしまい


<2011/08/11 22:34 とんこつ>消しゴム
|<< < 11 / 11 > >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b