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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
− 四人の反逆者 −
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お勧めBGM:
『One-Piace Original Soundtrack Karakuri - Castle』
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「両手を上げろ!! いいか…撃つぞ…撃つぞ…」

「…だ、大丈夫ですか?」

小刻みに震える手で拳銃を握りしめ、ラティオスの頭を狙うアクア団員。
しかし緊張と焦りでラリったのが見え見えで、逆にラティオスから
心配の声を掛けられていた。

「う…うるさい!! 少しでも動くと…」

「はいはい…動きません。」

ギラリと光る爪の付いた手を、ラティオスは素直に頭の上へ持って
いく。圧倒的に有利なはずなのに、アクア団員は荒い息遣いを繰り
返していた。それを見兼ねたラティオスは、視線をさりげなく拳銃へと向けた。



ギ…ギギギッ…バキン…ぐにゃり…

「え…えっ、ええっ!?」

強力な念力を受けた銃身は、まるでゴムを曲げる様にあっさりへし
折れてしまった。天井を向いた銃口に、団員は目が釘づけになる。


「バカな…そんな…バカな…」

「…まぁ貴方に恨みなんて欠片もないですけどね。マスターを守護するのが僕の役目ですから。」

血色の左眼が、団員にニヤリと微笑みかける。次の瞬間、団員の
足元は暗黒の空間に覆われ、まるで見えない何かに引っ張られる
ように沈み込んでいった。

『…ホールド…エンド。』

「ぁひ…だめ…ぬ、抜けね…助けt…!!」

団員は聞き入れられない命乞いを連発しながら、
誰も知らない亜空間の彼方に消えていった。



「あっ…いたぞ!! 撃て撃て撃てぇ!!」

「…!!」

駆けつけた他の団員達が、一斉にライフルを乱射する。
弾丸の雨あられを避け切れず、ラティオスは右肩に直撃を喰らって
しまった。撃たれた箇所を左手で押さえ、毒々しい流血を止めようとする。


「参りましたね…単独行動は無謀だったか…」

「ああ…全くだな。」

流星群のような弾丸が、突如現れた空間の裂け目に飲み込まれる。
そこから這い出してきたのは、紛れもなくギラティナとカイオーガ
だった。団員達はすぐに引き金を引いたが、銃弾などゴーストタイプ
の彼には効かない。空気に鉄拳を食らわせるようなものだ。


「…な、何をしている!?捕獲弾を使うんだ!!」

『…夜鏡。』

ギラティナは自分達の前に、見えない防壁を張った。弾丸がそれに
触れると、まるで鏡に光を当てたように跳ね返った。自分らが撃っ
た弾が逆流し、団員達は前に出るのを恐れる。


『…逃げんなっ……ネプチューン・ギャラクシー!!!』

早くも大技を使い、一掃を狙うカイオーガ。彼の右ヒレから海龍(Ocean Dragon)、左ヒレからは毒龍(Poison Dragon)が生まれ出で、団員の群れに向かって突撃していった。広々としら廊下は一瞬にして、なぎ払われる者、消し飛ばされる者、呑み込まれる者の聖地と化す。気が付けば団員は一人残らず倒され、静けさを取り戻した廊下には、腹をたぷんと膨らませた龍が泳いでいた。


「随分と成長したらしいな、カイオーガ……特訓でもしたのか?」

「戦ってたら出来るようになったんだ…まだギラティナには敵わないけどw」

カイオーガに戦闘を教えた者こそ、このギラティナだった。
親友だけでなく、師匠としての一面も持っている。


「だが恐らく…今のは脅かし代わりの下級兵だ。
もっと上等な戦士が、あんな乱暴に撃ってくるはずないからな…」

「う、うん…」

千人以上いる団員の内、彼らが今しがた倒したのは二十人程度だ。
強大な戦力を持った輩は、とても数え切れないだろう。
カイオーガはギラティナの真剣極まりない言葉に息を呑むと、
漂っている龍達をヒレに戻した。



「あなた達…やったのね?」

ふと背後に気配を感じたギラティナが振り向くと、レムリアが翼で
廊下を滑空してきていた。スタッと三匹の間に降り立ち、少し高い
位置からラティオスの見下ろす。

「ラ…ラティオスあなた怪我してるじゃない!! 撃たれたの?」

「ハ、ハハ…対して痛くないですから…大丈夫…」

「強がらないでじっとしてなさい。今、治してあげる…」

クリーム色の手を突き出し、損傷部位に触れるか触れないかの位置で
止めるレムリア。彼女がマリンブルーの瞳を閉じ、理解の難しい呪文
を唱え始めたのは、それからすぐの事だった。




「…あ……」

「私にはこのぐらいしか出来ないわ…貴方たち程強くないものね。」

ラティオスの細い肩に撃ち込まれた弾丸が、カランと廊下に音を
立てて落ちた。さらに思わず口に手を当ててしまう程の傷口が、
時間を早送りしたように塞がっていくのだった。ラティオスの
肩から、痛みが潮のように引いていく。


「ありがとうございます…いい能力ですね。」

「フフ…お礼は今度よ。致命傷以外ならいつでも治すから…
怪我したら声をかけて。あなた達もよ?」

「はーい♪」
「分かった…」

大勢相手の体力勝負。そんな戦況の中では、レムリアの存在は大変頼もしい。
しかし彼女が再び口を開こうとした時、その白い頬を一発の銃弾が掠めた。

「…っ…!!」

「レムリアさん!!」

「…誰だ…?」

ギラティナが鬼気に満ちた眼で、銃弾の飛んできた方向を睨んだ。
まだ煙の出ている銃を片手に立っていたのは、清楚なスーツに身
を包んだサカキだった。


「伝説ポケモンを三体…それに幻と謳われたムゲン竜。
ハハッ…チャンピオンらしいな…」

「ボス自ら来てくれたんだ…♪ 喰べられても文句言わないよね…?」

カイオーガが巨大な舌を舐めずるが、サカキに恐怖は微塵も与え
られない。むしろ今の彼は、何か強力な味方をバックに付けてい
るような…そんな笑みを浮かべていた。


「では君に喰われる前に、一つ質問させてもらおうか。
ガイアメモリに詳しいラティオス君…このメモリが何だか、知っているかね?」

サカキの腕が懐へと伸び、どす黒いメモリを引っ張り出した。
それを見た瞬間、ラティオスの表情が曇る。


「そんな馬鹿な…そのメモリはT3タイプのみで…マスターしか持ってないはず!」

「我がロケット団が独自開発したのだよ…私はこのメモリを、
いつにも増して強力なメモリだと確信している。」




キチッ…『PUPPETEER(人形遣い)!!』


突然サカキの背後から、ぞろぞろと四人の人間が姿を現した。肩を
だらんとぶら下げ、今にも倒れそうな雰囲気で立ち尽くしている。
だが彼ら四人の顔は、ギラティナ以外の全員が知っていた。

「カ、カトレアさんと…レンブさん…!?」
「あー!! シキミさん何やってんの!?」
「ギーマさんよね…あの人…」

チャンピオンに最も近い、四天王のメンバーが顔を揃えていた。
ただ全員が不敵な笑みを浮かべ、動きが人間らしくない・・


「ね、ねえラティオス…あのメモリってまさか…」

「…考えてる通り、他人の意思を支配して、操り人形にしてしまう
メモリですよ。でも…まさか四天王を標的にするなんて…」

いかなる状況でも、四天王はリーグを護るために闘うはず。それが
今では、リーグを占拠しようとする輩の部下と化していた。眼から
光の失せた、命令に従う人形となって…



〜 パペティアー(PUPPETEER)メモリ 〜
DETA:『人形遣い』の記憶を内包したメモリ。
特定の人物をあやつり、自分の思うがままの行動を強いる事ができる。
なお、操られいた者には、操られている間の記憶は残らない。
・T3シリーズにしか製品化されていないが、ロケット団はこれを独自に開発した。
<2011/07/10 19:25 ロンギヌス>
消しゴム
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