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雷鳴の閃光 − 旧・小説投稿所A

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雷鳴の閃光

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不意に目が覚めた。
純白の天井。隣には使われていないベッド。
私は帰ってきたの?
「お、起きたか?」
「・・ウェイズ・・」
彼もまた私の先輩で知人である。
たまたま体調を崩しこの前のクエストを辞退していた。
その結果が難を逃れた訳だ。
「ガルア、ガリド・・残念だったな・・」
「・・すみません・・私だけ助かって・・」
頭に衝撃。先輩の拳が命中。
「馬鹿。生きていることに感謝しろ。」
「・・はい・・」
「衰弱が酷いからな。安静にしてろ。」
「はい・・ありがとうございました。」
ウェイズは私に微笑むと部屋を出ていった。
ーおい。聞いたか?ー
ーあぁ・・やべぇジンオウガが現れたって話だろ?ー
「ジンオウガ・・!」
慌ててカレンダーに振り返る。
・・・約一週間ほどたっている。
やばいジンオウガとはたぶんあのジンオウガの事だろう。
隠れてと言ったはずなのに・・
私はベッドから降りてギルドのカウンターに向かう。
ここは病院とギルドは一体になっており、すぐにカウンターに向かえる。
体が鈍く痛む。フラフラで上手く歩くこともできない。
「クエストお願いします・・・」
驚いた受付嬢が貼り紙を手にする。
受けるのは素材ツアーだ。今の私にはこれしかない。
「お名前は?」
「ティナ・アーゲンハルツ・・」
「・・申し訳ありませんが、貴方をクエストに出す訳にはいきません。それに現在この狩場はジンオウガが出現中で・・」
貼り紙を私に差しだし、受付嬢が頭を下げる。
「急用なの!お願い行かせて。」
声を荒げる。ちょっと歩いて喋っただけなのに息が上がってしまう。衰弱は相当なようだ。
彼は私を待っている。だから私は早く彼に逢いに行かなければならないのだ。
「しかし・・貴方もそんなお体では・・」
「関係ない!!お願い!行かせて!!」
机に拳を叩きつけた。鈍い音が響き静寂が訪れる。
その中、私の息づかいだけが響く。
が、少しすると静寂はざわめきに飲み込まれた。
「わかりました。特別に認めます・・・」
「・・ありがとう・・はっ・・ふっ・・」
「ですが、迎えが著しく遅れる可能性がありますが・・」
「構わない。多分、もう帰ってこないから。」
ーえっ?ーと悲鳴に似た声を受付嬢が吐いたが私は気にする事なく私はギルドから迅速に狩場に足を運ぶ



<2011/05/13 23:14 セイル>消しゴム
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