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「うーん、美味しくてサイコー！」

水神は満面の笑みを浮かべる。
そんな水神の様子を見て月夜兎の口元が緩んだ。

「なあ水神、まだ替え玉注文するか？」

「えっとね、これでやめとくよ。腹八分目ぐらいが健康に良いって言うしね」

あんだけ食って腹八分目なのかよ。

「大食いジャンボトカゲちゃん……」

「月夜兎、今この場で公開処刑にしてあげようか？」

水神は手だけ竜のものに戻し、月夜兎の首筋に爪を突き立てる。

「スミマセン、調子に乗りすぎました」

「分かればよろしい」

月夜兎の謝罪を聞いた水神は手を人間のものに再び変化させた。

「じゃあそろそろ会計に行くぞ」

「うん」

月夜兎は伝票を持って立ち上がり、水神もそれに続いた。

「お会計は1250円です」

「2000円札からお願いします」

月夜兎はレアな紙幣である2000円札を取り出した。
店員は物珍しさを感じながらレジを打つ。

「ではこちらお釣り750円です。当店ではお会計が1000円を超えたお客様にはくじを引いてもらっています。いかがでしょうか？」

「くじ？」

「私が引くー！」

月夜兎が首を傾げる隙に水神がくじを引いてしまった。

「おっ、二等賞ですね」

「やった、二等賞だって！」

水神はピョンピョンと飛び跳ねて嬉しさを表現する。
対する月夜兎は

「いい歳こいてみっともないからやめろ」

とこめかみを押さえながら水神を諫める。

「しかしお客さんは幸運ですね。二等賞の賞品はあなた方にピッタリなものですよ」

「ピッタリなもの？」

「スペースワールドのペアチケットです！有効期限は１ヶ月。もちろん今からデートに行かれても問題なしですよ」

デートという単語に月夜兎はフリーズした。

「デートって、わ、私たちは−−」

「お客さん、グッドラック！」

店員さんはグッと親指を立てると、厨房に入っていってしまった。

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