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異世界の漂流者 − 旧・小説投稿所A
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異世界の漂流者

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翌日




ガサガサ・・・

シュルツは森の中を歩いていた

藪をかき分けかき分け進んでいく

「何か食えそうな物は・・・・と」

ガッ!!

「うおっ!」

ドシャ

石に足を引っ掛け派手に転んだ

「いてて・・・」

服に付いた土を落としながらゆっくりと体を起こす

(やっぱりやめたほうがよかったかな・・・)

シュルツはそんな事を思い始めていた






  *  *  *

・・・・時間は昨日に遡る

会議が終わって1時間経った頃

「危ないですよ!やめて下さい!」

「お前も食料がないのは知っているだろう!?」

ウィルクの第一艦橋で2人の男が言い争っていた

シュルツとテスターだ

「お前が何を言おうと俺は行くからな!!」

「一人で行くなんて無茶です!!何人かで行かないと・・・」

「そんなに人数を割けれるわけがないだろう!」

シュルツは大声で怒鳴った

調査に人数を割けないのには理由があった

ウィルクの修理である

ウィルクはワープ時の衝撃で船体のいたる所を損傷しており一刻も早く修理を行う必要があった

何が起こるか分からない今、我々を守ってくれるウィルクを修理するのが最優先事項なのである

「俺は明日出発する!艦の指揮はお前に任せるから装甲板と機関の修理を最優先にして残りは後回しにしろ!!分かったな!?」

そう言うとシュルツは艦橋後部にあるエレベータに向かって歩き出した

「ああそうですか!もう勝手にしてください!!」




  *  *  *

そして現在に至る

「はぁ・・・」

溜息が漏れる

一人だと何をやるのも重労働だし、何より危険が高まる

それでもシュルツは構わなかった

(何かあった時、死ぬのは自分だけで済むしな・・・・)

「ちょっと休むか・・・」

シュルツは少し移動して藪から抜けると座って木に寄りかかった

(ああ・・・疲れた。それに眠い・・・・)

日の出に出発して3時間も続けて歩いていたので当然の結果といえる

それにシュルツ達がいた世界と、こちらの世界には、時差があるので眠くなるのも無理はない

(少しだけ・・・・ほんの少しだけ寝よう・・・・)

シュルツの意識は闇に飲まれていった・・・・・









「ククク・・・ハハハハハッ!!」

シュルツがいる場所から少し離れた所に奴はいた

血に赤く染めた灰色の鱗を身に纏い笑っている

(やはり獣人の血肉は旨い・・・ククククク・・・)

灰色の竜は口の周りに付いた血を舐め取りながらそう思っていた

彼は薬草を取りに山に入った獣人達を襲ったのだ

周りを見渡してみると、いたるところに獣人の死体が転がっている

その光景は地獄としか言いようがなかった

「・・・・・」

竜は自分の尻尾に眼をやる

そこには狐の獣人がいた

「さぁて。お前をどう食ってやろう」

尻尾で捕まえた獲物に言う

「あ・・・ぁ・・ぁ・・た・・助けて・・・」

ガクガクと震えながら獣人は竜に命乞いをした

目に一杯の涙を浮かべ、どうか見逃してほしいと頼んでいる

「ククク・・・」

竜はにやりと笑った

尻尾を動かし獣人を口元まで持ってくると

ベロォ・・・

獣人の顔を舐めた

「ひいっ!」

獣人はパニックに陥り尻尾から抜け出そうとする! が・・・

ギリッ!

「ぎゃああああああああああ!!」

竜は尻尾を締め上げた

「どうだ。苦しいだろう?」

「グ・・・ア・・ア・・」

肺から空気が搾り出され息ができない

「そうかそうか。声にならないほど苦しいか」

苦しむ獣人の様子を竜は楽しそうに見ている

シュル・・・・

尻尾の締め付けが弱くなった

「はあ・・・はあ・・・」

締め付けから開放され、とにかく空気をむさぼる


・・・ポタポタ・・・・・・

「え・・・・?」

獣人の肩に生暖かい液体がかかる

恐る恐る上を見ると・・・・

竜が涎を垂らしていた

「では頂くとするか」

グバァ

大きく口を開ける

唾液が糸を引き獣人にかかる

「うわあああああああああああ!!」





バクン





ゴクリ




膨らみが喉を下っていく

飲み込まれた獣人が抵抗しているのだろう。膨らみがもぞもぞとうごいている

そんな抵抗も空しく膨らみは腹に到達すると「すぅ」っと消えていった

「ククク・・・。お前中々旨かったぞ」

竜は飲み込んだ獣人に話しかけるが返事はない

(しかしまだ喰い足りんな・・・・)

「きゃあ!!」

竜がそんな事を考えていると背後で悲鳴が起こった

振り返るとそこには狼獣人の少女が立ち尽くしている

手には昼食の入ったバスケットをもっていることから

(獣人達に飯を届けにきたか?)

と竜は推測する

まぁその獣人たちは竜の昼飯になったのだが・・・・・






「・・・・・おい」

「!!」

声を掛けた瞬間少女は逃げ出した

・・・ジュルリ

バサッ!

(フン。逃がすか)

竜は舌なめずりをしながら飛び立ち少女を追いかける

空から見れば少女の姿は丸見えだ

(ん?確かこの先には「アレ」が・・・。まあいいか)

「グオオオオオオオオ!」

竜は咆哮を上げると狙いを定め急降下に入った・・・・・



<2011/05/25 15:11 雪風>消しゴム
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