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「どけどけどけーーーーーーーーっ！！」

ドン！

「うわっ！」

「イテッ！」

通路を塞いでいた乗組員を突き飛ばす

グライフは通路を爆走していた

すべてはシュルツとテトに復讐するため

こんなに頭にきたのは久しぶりだ

しかも獲物の分際で！

グライフの復讐心はメラメラと炎のように燃え上がり殺気を放っていた

「絶対に許さん！！グオオオオッ！！」

雄叫びを上げるとさらに早く走り通路を駆け抜けていった






「ギャハハハハ！！」

「ハハハハハハ！！」

グライフが探し回ってるとも知らずにシュルツとテトは通路で大爆笑していた
笑いすぎて歩く事すら出来ないらしい

うずくまり、腹をかかえ通路の壁をバンバンと叩く

「いやぁ、面白かったなあ！！」

「ああ！！」

そう言うと二人はまたブッと噴出した

「ヒイ・・・笑い・・・ブフウ！！・・・・笑いすぎて死ぬ！！ギャハハハハハ！！」

シュルツに至っては笑いすぎて呼吸困難になっている

「「ぎゃはははははははははははっ・・・・・・・・・・・・」」

再び笑い始めたとき二人は何かを感じた

背中に冷たいものが走る

恐る恐る振り返って見ると・・・・・・・

「見つけたぞ・・・・貴様ら」

「「あ」」

息を荒くしているグライフがいた




数秒ののち








「「どわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！？」」

「喰い殺してやる！！」

シュルツ達が悲鳴を上げると同時にグライフは走り出した

二人は慌てて逃げ出す

「やべえええええええええ！！超怖えええええええええええ！！」

「うわあああああああああああああああああああああああ！！」

絶叫しながら逃げる二人

グライフに捕まったら絶対ただじゃすまない

だって「喰い殺す」とか言ってるし！

何より殺気が出てるよ！殺気が！！

どうしようか考えていると少し先の所にテスターが居た

これを使わない手はない！

「テスター！助けてくれ！」

走りながら大声で怒鳴ると聞こえたらしくこちらを向く

テスターの所に着くと肩を掴んでガクガクと揺さぶった

「グライフを足止めしろ！拘束しても構わん！」

「一体どうしたんで・・・」

そう言いながらテスターはシュルツの後ろへと視線を移すと真っ青になって首を振った

「嫌です！！」

「やれ！これは命令だ！！」

「・・・・・・・了解しました」

軍人ゆえに命令と言われれば逆らう事が出来ない

シュルツもやらせたくはなかったのだがグライフに捕まるよりは・・・・と強行手段をとった

「すまん！許してくれ！」

謝りながら再び走り出すとテスターは向かってくるグライフに向き直った

「どけーーーーーーーーーーっ！！」

グライフは凄い形相をしながらテスターに向かってくる！

「ここから先は一歩も通さん！！」

テスターは格好良く言い放つと構える

グライフが来るまであと三歩

二歩

一歩





バキィ！！

「ぐわぁ！」

ドスッ！

ベキッ！

ボコッ！

「ヒイ！や、やめて・・・」

バキャッ！！

ドサリ・・・・









静かになったのでシュルツとテトは振り返る

するとボロボロになったテスターが倒れていた

「テスター・・・・」

後はもう言葉にならない

あいつ弱すぎだ。使えねぇとか思ったがそれは飲み込み「すまない」と心の中で謝る

「グオオオオオオオオ！！」

グライフは雄叫びを上げると二人を追いかけ始めた

「シュルツどうするんだ！」

横からテトの声が飛ぶが答える余裕はない

シュルツは必死に考えていた

そこへあるものが目に映る

「格納庫！！」

そうだ。格納庫から外に出れば何とかなるかもしれない

グライフが竜になっても何処かに隠れればいいだけだ

そんな浅い考えでシュルツは格納庫に入った

テトもそれに続き、二重ドアを開け艦載機発進口へと急ぐ

「アレだ！」

テトが発進口を開ける為のレバーに手を掛け乱暴に引き降ろす

これで発進口の扉が開く・・・・はずだったのだが

・・・・・・扉はぴくりとも動かない

「あれ！？」

二人の心に焦りが生まれる

もう一度レバーを上げ下げしてみるが結果は同じだった

「あ！！」

その時テトが声をあげた。

「故障してるんだった！」

「何ィ！？」

テトの言葉にシュルツも思い出す

そうだ、昨日見た資料に艦載機発進口扉故障って書いてあったじゃないか！

ここからは出られない。戻ろうと振り返ると・・・・

「そこまでだ。貴様ら」

灰色の悪魔・・・・・・グライフが既に追いついていた

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