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表裏一体 光の頂 − 旧・小説投稿所A

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表裏一体 光の頂
− 狂気 −
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「花梨・・」
「?ぅんっ!?」
椿の好奇心は素早い反応を示した。
少し強めに五つの尾で四肢を絡め、巻き取った花梨を目前に引き寄せる。
「つ、椿・・さまっ・・目が変です・・よ?」
「フフフフ・・・」
「椿。離してやれ。何をするつもりだ?」
感情の変化を感じ取った葵がすかさず抑制に介入する。
とこが椿は思いがけない言葉を発した。
「葵。あなたも食べたいんでしょう?」
「な、何を言っている?」
一瞬、一瞬の動揺があった。
葵の表情が僅かに揺らぐ。
「私たちも信仰だけの安っぽい力だけで生きていけるほどちっぽけな存在じゃないの。たまには高純度の力を摂取しないと。」
「しかしな・・人間を襲うのは少し・・」
「昔は、無慈悲に人間の命を奪ったのに?」
「それは過去だ。今は今。」
狼の獣神・葵は過去に戦神の名で馳せていた。
幾人もの人間をその牙で、爪で殺した。
その時に人間の味を覚えてしまっていた。
もし、もう一度だけそれを味わってしまったら今度こそ堕ちる。
それを恐れて葵は人間を襲うことに抵抗を感じていた。
「大丈夫。もう貴方は変わった・・戦神ではないの、一匹の父親なの。」
「・・だが、私は遠慮しておく。お祖父様には黙っておこう・・」
「ありがとう。」
葵には感謝の笑みを、花梨には不気味な笑みを。
尾に巻き取られた中で表情を歪ませる。
「と、言うわけで花梨?準備はいい?」
“駄目です”とでも言いたそうに口をパクパクさせ、首を横に振っている。
「ただ、食べるだけ。食い殺しはしないから安心して。」
次の瞬間には椿の目一杯に開かれた口に矮小な花梨が放り込まれていた。

 * * *

生々しい水音が神窟に木霊する。
(ぁ・・・ぅ・・・あ)
椿の顎(あぎと)から漏れる少女の呻き。
少女を味わう椿の表情は悦びを貼り付けていた。
自然に緩む口元、涎が垂れる。
「フフ・・これを楓も味わってたのね・・」
舌を蠢かせ、飴玉を舌の上で舐め味わう。
飴玉は瞬く間に唾液を塗りたくられる。
いくら舐めても飽きない。
唾液が溢れこぼれ口元を汚していく。
「ん・・ごくっ・・」
飴を舌で巻き取り、溢れる唾液を飲み込んで再び舐める。
(っう・・うう・・)
いつまでも舐めていたい。
そう思うが椿は呑み込むことを決める。
天を仰ぎ、口内に傾斜をつける。
舌を花梨が滑っていく。
そのままの勢いで喉に唾液と流れ込む。
「フフフフ・・」
喉が小さく鳴り、膨らみが姿を現す。
椿から笑みが消えない。
喉を下る花梨。
頬が赤らみ、毛並みが艶めく。
花梨が生み出すエネルギーが瞬く間に椿に吸収され力となっている。
「あぁ・・・美味しい。ずるいわぁ・・楓。貴方はいつまでもこの仔を味わえるんでしょう?」
いつの間にか小さな膨らみは腹に消えていた。



更新遅くてすみません
ところで・・
誰か感想ください
<2011/06/17 21:20 セイル>
消しゴム
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