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表裏一体 光の頂 − 旧・小説投稿所A
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表裏一体 光の頂
− 狂気 U −
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「葵〜」
「ん?どうした?」
調子の上がった椿の声。
振り返る葵は驚愕する。
「お前・・酔っているのか・・?」
ごく希に神獣は高純度のエネルギーに酔うことがある。
椿はそれが特に顕著ですぐに酔ってしまう事が多い。
まして、ここ最近はエネルギーは低純度のばかりだ。
「!?」
続けて何かを発そうとした瞬間に唇を奪われる。
葵は突然すぎて反応を忘却していた。
目の遣り場に困っていると、不意に腹の膨らみが逆流しているのに気付く。
「んんっ・・・ぅん・・」
随分と艶めいた声を漏らし、表情が曇る。
舌を絡められており、もう唇は離せられない。
「くっ・・椿っ・・お前っ!?」
葵の、戦神の舌にかつて忘れようとした人間の柔らかい女の味が広がる。
「私だけは・・・狡いでしょ?貴方にも味わってほしい。」
目が次第に光を失っていく。
葵もまた椿と同じように飴玉を入念に舌で舐め転がす。
花梨はすでに気を失っていた。
「なぁ・・・こいつ噛み砕いてもいいか?」
「駄目よ〜。楓に怒られちゃう。」
「・・・残念だ。」
花梨の肉を名残惜しそうに甘噛みする。
柔らかい肉に牙が食い込む鈍い音が神窟に響く。
その後も葵は執拗に甘噛み、舐め転がした。
「暫くは収まっていてもらおう。お前のエネルギーを全て頂くからな。」
天を仰ぎ、花梨を喉に滑り込ませる。
唾液で摩擦のない体はいとも簡単に滑り、喉肉に捕まる。
ごくりと小気味よく喉の膨らみに変わってしまう。
腹部が花梨の分だけ膨らみ、それを満足そうにさすりながら邪悪な表情で口周りを舐めずった。

 * * * 

「がはっ・・ぐふぅ・・」
疲労に体が悲鳴を上げている。
墜ちた体では歩くのも億劫だ。
花梨には黙ったままだった。
動くだけで血を吐いてしまうのを。
「やはり・・花梨とは別れた方が良いのだろうか・・」
時々、記憶を失うときがある。
その時、必ず花梨に何かがあった。
怪我を負っていたり、何かの粘液に濡れていたり・・
・・・知らぬ間に喰らっていたことも。
墜ちた神は二度と神には戻れない。
堕神と人間。いずれは別れの時が訪れる。
すぐにでも別れることが彼女の一生に対して最善の方法。
命を弄んでおきながら突き放すなどと・・
「本当に私は堕ちたのだな・・」
かつての私ならこんな無慈悲ではなかっただろう。
堕ちるという不安を抱えていたからだ。
堕ちた今。もっとも恐れる事象から解放されてしまった為に他者を簡単に切り捨てるようなことが簡単に思えてしまう。
どうにかしてやりたい。
そんな良心も堕ちてしまっていた。
「花梨・・お前はどう思っている・・・?」
久々の一縷の不安。
今宵は苦しい宵になりそうだ・・・


<2011/06/23 21:05 セイル>消しゴム
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