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無知 − 旧・小説投稿所A

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無知

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 きつねのお腹の中、ねずみはもうどこにもいなかった。

 母ねずみも、たくさんの子ねずみ達もみーんないっしょになっていた。

 みんな一つになって・・・・・・みんなきつねになるのだ。





 どろどろになった柔らかい肉のゼリーが小腸に送られる頃、きつねは昼寝から目覚めた。

 「あー美味かった」

 そして膨れた腹に満足そうににっこりと笑う。



 「これでまた一匹・・・・・・」

 そして一瞬だけ笑顔がゆがむ。

 「あと少しの我慢だな」

 その言葉の意味はまだだれにも分からない。いや、きつねだけは知っているかもしれない。





 きつねはお昼ご飯を食べただけ、ランチを楽しんだだけ。

 きつねはねずみを食べた事なんて明日になればけろっと忘れちゃう。

 だけど、今日もまたどこかで泣き声が聞こえる。



 きつねのお腹と心が満たされるまで。





単発なので今回はここまで。
また話が纏まったらもっときつねさんの事を書くかも知れないです。
<2012/12/07 23:04 ぶちマーブル模様>
消しゴム
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