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「ただ.....い.....ま」
『あ...ケイ君...今日で何回食べられた？』

ケイが暗い顔で帰って来る。
ドッペルはケイが何回も食べられるとおかしくなる事を知っている。
ドッペルが質問したすぐにケイは指で3回、と伝えた。

『じゃああと2回だね〜♪』
「うん....」
『このままじゃ辛いっしょ♪白魔法[ヒール]』
「ありがと....」

ドッペルがケイの疲れを癒す。
しかし、疲れは癒せても捕食回数3回は消せない。

「もう大丈夫だよ...」
『そう、あんまり無理しないでよ〜♪』
「次の依頼やらなきゃ....」

ケイが立ち上がり、依頼の確認をする。

「次の依頼はっと....ファウストさんだ♪」
『あれ、ケイ君の知り合い？』
「うん、ちょっとしたね...」

依頼を見た瞬間ケイの顔が明るくなった。

「ドッペル、今回も僕だけ行くね」
『え、あ、うん...分かったよ』

さすがにドッペルもケイのいきなりの復活に戸惑っている。
ケイは不思議そうにドッペルの顔を見る。

「とりあえず、そろそろ行くから準備してくるね」

ケイはそう言い、急いで自分の部屋に入った。

『･････ケイ君も不思議なところあるねぇ...』

ドッペルはその場にﾎﾟﾂﾝと立っていた。

「じゃあ行ってくるッ！」
『いってら~♪』
ｶﾞﾁｬ！

ケイが自分の部屋から出てくるのと同時に家の玄関から出ていった。

「確か依頼場所はあの<ギラティナ>の反転世界だったな...」

依頼内容は反転世界のエレベーターが止まっており、その中に居るファウストさんを救出することだ。

「反転世界に行くためにはやっぱり、こじ開けるしかないかな...」

依頼場所である反転世界は普通ギラティナ以外は行けない。
だから無理矢理反転世界をこじ開けて行くしかないのだ。

「ギラティナさんには迷惑だけどね...スキル発動！[ダークゲート]」
ｼﾞｼﾞｼﾞｯ！

何かが焼けるような音と同時にケイの目の前には真っ黒な入り口が現れた。
これが反転世界の入り口だ・・・
これを出すのに相当な魔力を使う。
魔力の燃費悪いんだよ・・・

「さて、入りますか...とうッ！」
ﾊﾞｼｭﾝ！

ケイが入り口に入った瞬間に姿が消え、入り口も消えた。




























「よっと...着いたか...初めてだよ反転世界に来たの...当たり前か」

ケイは辺りを見回す。
そこにある景色は、木が横に生え、重力を無視した世界だ。

「この世界って凄いな...それで、依頼場所は...アレかな？」

ケイが指を指す先には、何かホテルのような場所だ。
反転世界に建物がそれだけだからすぐに分かった。

「急いで行くか...スキル！[グライド]」
ﾋﾞｭﾝ！

ケイの体が宙に浮き、そのままホテルの方向へ飛んだ。







「ここか...エレベーターがあるのは...」

ホテルとだけあってかなり広い。
とりあえず早くファウストさんを助けなきゃ・・・

「入りま〜す！」

ケイがホテルに入る。
エレベーターの場所を探していたがすぐに見つかった。

「多分ここだよね...思いっきり{故障中}って書いてあるよ...(汗」

ファウストさんが居ると思われるエレベーターには、扉に大きく{故障中}の紙が貼ってあった。
きっとファウストさんが乗った後にこの紙が貼られたのだろう。

「とりあえず、ファウストさんをエレベーターの中から出せばいいから...スキル[ローテーション]」
ｳﾞｳﾞﾝｯ！

ローテーションは対象の物の場所を入れ替える事が出来るスキルだ。
まずはローテーションを使い、エレベーター中のファウストさんとエレベーター外の自分の場所を入れ替える。

「･･･本当に止まってるし...下には口を開けたギラティナさんが居るし...恐ろしいな、このエレベーター...」

確かにエレベーターは完全に止まっており、下にはギラティナが口を開けて待っていた。
後はスキルの[テレポート]を使い、外に出ればいいのだが・・・

「スキル発動！[テレポート]」
・・・・・・・・・・・

何も起きない・・・まさか・・・

「ヤバイ...魔力切れだ...」

反転世界に入るために魔力を使い過ぎ、テレポートが出来る魔力はケイの体には残っていなかった。

ズガンッ！
「え、まさか...」

そのまさかだ・・・エレベーターが落ちてきている。
このまま落ちればギラティナの口の中行きだ・・・

ズガンッ！
「うおッ！まずいな...」

だいぶエレベーターが落ちてしまった。
ギラティナの口にはもう少しで入ってしまう。
持ってあと一回ってとこだ・・・

ズガガガガッ！
「え、ちょっ、待っ！なぁぁぁぁッ！」

落ちた。
ギラティナの口の中に・・・

※このあとどうなったかは皆さんのご想像におまかせします！(殴


とりあえず...ファウストさんは救出した...依頼達成だ。

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