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VD − 旧・小説投稿所A

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VD
− 11 - 襲撃 −
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次の日・・・月曜日。
僕は学校での授業を終え、帰りのHRが終了した直後、早くも教室を出ようとしていた。

休み明けの登校は、毎回ひどく滅入る。おまけに、月曜日の時間割には
 「体育」「英語」「国語」「保険」
と、僕の大嫌いな教科がそろっている。
 (休みを謳歌して寝不足で来た日の1時限目が体育って何なの?イジメなの??)
とか思いながら1日を過ごせば、さっさと帰りたくなるのは当然だ。

おまけに、帰れば家にはアイツが居る。
昨日の夜中VOREの味を占めた僕の胸には「さっさと帰って彼女に喰われたい」という強い思いがあった。

「先生、さよなら。」

いつものように担任のO先生に言い、駆ける様に教室を出た僕は、三階から一階への階段を2,3段飛ばしながら降りていった。
靴箱で革靴に履き替え、いつものように校舎から出る。

「・・・フェリア・・・様?」

・・・校舎を出て、東校門を見る。
そこには、アイツが・・・フェリアが竜人姿で立ち、僕に向かって手を振っていた。
・・・今まで彼女は、学校までついて来た事はなかったのに、だ。

無言で歩いていき、東校門を抜ける。
そして学校から離れていき、周囲に誰も居ない事を確認してから、僕は口を開いた。

「・・・フェリア様。どうして、僕の学校に?」

今までの4日間では、彼女は家で僕の帰りを待っていた。家から外に出ている様子も無い。

「ちょっと・・・貴方の学校が気になってね・・・♪」

「・・・ありがたいんですけど、学校の中には来ないで下さいね・・・すいません。
 でも、僕が授業に集中出来なくなってしまうので・・・」

「・・・もちろん、貴方の生活に深入りはしないわよ。大事な用事を邪魔しちゃいけないものね・・・♪」

「・・・ありがとうございますっ・・・」

「・・・ところで、今日も帰ったら食べさせて頂戴。夜まで待てないわよ・・・?」

「・・・ええ、もちろん!喜んで貴方の糧になります!!」

そんな会話を交わしながら、彼女の気配を感じた例の道まで来た時だった。

「・・・ん?」

そこの角を曲がった先に、妙な集団が居る・・・
近視の僕にははっきりと見えないが、全身に黒い服を着て頭までフードで隠し、
腰にはズボンではない何か・・・マントのようなものを羽織っている。
人数は6,7人ほど。角の先にある交差点で、探し物をするようにうろつきまわっている。

「・・・何なんだ一体・・・」

「・・・触らぬ神に祟り無し。変に関わらないで、無視しましょう」

彼女に言われるまでも無く、僕は無視してその集団の横を通りすぎた。
近づいてよく見ると、彼らは顔にサングラスをかけ、黒い上着と黒いズボン、そして黒いマントを羽織り、
まるで素性を隠すかのような格好をしていた。
その姿は、ドラマ【オーパーツ】に出てくる「オーパーツ」達と似て・・・いや、瓜二つだ。
それに内心驚きながら、その集団の横を通りすぎようとした。

「・・・?」

彼らは、通りすぎる僕を見たが、すぐに視線をそらし、何かを・・・否、誰かを探すように、周りを見回した。
その直後、背中に悪寒が走った。
・・・集団の一人が、歩いていく僕を見つめている。
・・・振り向いた訳では無いが、背中に刺さる視線でそれが分かる。
小走りでこの場を離れようかと思った・・・その時。

危ないっ!!

"ズドンッ!"

「キャアアア!!!」

耳に響いたフェリアの悲鳴・・・そして、火薬臭と大きな音。
それに驚き、僕は振り向く・・・その目に写った光景を、僕は一瞬理解出来なかった。

乾いたアスファルトの上で、胸を押さえながらフェリアが倒れていた。
手と胸の間から地面へと、紅の筋が何本か走っている。
視線を上げれば、集団の一人・・・さっき僕を見つめていた男が、拳銃を持ち、その銃口を僕に向けている。
サングラス越しに表情は読めないが、そこには何の感情も浮かべてはいない。

・・・我らが目的の為、お前の命を奪う・・・

男はそう小声で言う。直後、引き金に指をかける時の"カチッ"という音が聞こえた。
この状況で逃げられる訳もなく、僕は現実から目をそむけようと、目を強く閉じる。

"ガンッ!"

再び響く大きな音。だがそれは、先程聞こえた死の音とは違った。
それに驚き、思わず目を開ける。

「・・・え?」

目を開けると、そこにはさっきと同じ姿勢の男と、彼の仲間が後ろで立ち、こちらを見ていた。
さっきと何も変わってはいない・・・男の手から銃が消えている事と、その男が明らかな驚きの表情を浮かべている事以外は。

自分の危機が去ったと理解した時、男はふらつくように離れていった。
そして、僕の目の前に立ったのは・・・撃たれ、倒れたはずのフェリア。

「・・・貴方達、私の獲物に手を出すなんて・・・お仕置きしなくちゃね・・・」

目の前の集団を睨みつけ、そう言って舌なめずりをする。
集団にはフェリアの姿が見えているようだ・・・いや、今見えているだけなのか・・・
集団が後ずさりしたのを見、フェリアが振り返って僕を見る。

「ごめんなさいね想ちゃん。私が守ってあげられなくて・・・」

そう言い、彼女はいつもの微笑みを浮かべて僕を見る。
ふと下を見ると、さっき僕に向けられていた銃は彼女の尾口に挟まっていた。

"ズドンッ!"

また響く銃声。さっきの男とは違う別の一人が拳銃を手に、フェリアの腕を狙い撃った。
その弾が直撃し、左腕からも赤い筋が・・・

「フェ、フェリア!手が・・・」

『大丈夫よ♪貴方はここで待ってて。ね?』

竜の姿に戻り、心配する僕の頬に手を当て、そう言う。そして、銃を向けている一人に目を向けた。
さっきまで恐ろしいほど冷静に振る舞っていた彼らは、今や見て分かるほど取り乱し、
サングラス越しでも分かる程の恐怖を浮かべている。

"ズドンッ!"

3発目の弾は彼女の左足に当たり、彼らに向かって歩き始めたフェリアの歩みを止める。
だがそれも一瞬・・・1秒程度止まった右足はすぐに次の一歩を踏み出した。

"ズドンッ!"

4発目は頭へと直撃し、フェリアは動きを止めた。慌てて駆けつけ、様子を見ようとする・・・

『・・・フフフ・・・』

・・・だが、僕がフェリアの元に着く前に彼女はまた歩き始め、微笑みを・・・いや、黒い笑みを浮かべ、
後ずさりしている彼らにゆっくりと近づいていく。
銃が通用しないと分かったのか、彼らは銃口を下ろした。そして代わりに、巨大な機械を取り出す。
それが何なのかはすぐに分かった。考える間もなく、その機械から視界を遮る程の炎が出る。

「熱っ!・・・フェ、フェリア・・・」

幸い、離れていたため僕に炎は当たらなかった。
だが代わりに、僕を守ろうと右腕を前に出したフェリアがその炎を被る。
僕にはそれを止める事も出来ず、ただ呆然と見ているしか無かった。

・・・まさか・・・

集団の一人が呟く声が聞こえる。
その炎が消えた時、フェリアの右腕は真っ黒に焼け焦げていた。鼻に、生き物の肉が焦げた臭いを感じる。
どう見ても、重度の火傷を負っていた。

だが、その表情から苦痛は読み取れない。痛みに喘ぐ声も無く、右腕をかばう様子も無い。
その腕が何の躊躇も無く下ろされた時、二の腕の皮膚に大きな亀裂が入って裂けた。
そこから見えたのは、赤くただれた筋肉・・・漏れ出る紅い液体・・・そして、金属光沢。

「・・・くっ」

火炎放射機も効かないと分かり、彼らは踵を返し、信じられない程の速足で逃げ始めた。
あんな格好で、しかも火炎放射機をも持っているというのに・・・

『・・・一人も、逃がさないわよ・・・』

横でフェリアがそう言い、獲物を狙うような目付きで彼らを見つめ、また舌なめずりをする。
その直後、ふと気がつけば、彼女は音も立てずにあっという間に彼らに追いついていた。
そして・・・


"ゴクリッ!"


・・・一瞬の出来事だった。集団の一人がフェリアの手で持ち上げられ、暴れる間も無く口に放り込まれた。
彼女の喉に大きな膨らみが出来る。その膨らみはモゾモゾと動きながら、下へ下へと動いていき・・・
少し膨らんだ、丸みのあるお腹へと消えた。

その光景に、全員が・・・僕も含め、全員が呆然となった。
そんな僕らを見て、クスッと笑うフェリア。そして、一言。

『フフフ・・・さて、今度は誰を食べちゃおうかしらねぇ・・・』




















僕は学校から家への帰り道を、黙って歩いていた。
いつもなら走って帰るところだが、今はそんな気分ではなかった・・・

僕の視線は時々、横の・・・横に居て、一緒に歩いているフェリアの膨らんだお腹と尻尾に向いた。
その腹は今もうごめき、微かに声のようなものが聞こえる。だが、尻尾は既に元の太さに戻っていた。
ほんの1分前まで、人間が2人は入っていたというのに・・・










フェリアの「お仕置き」はあっという間に終わった。
あの一言を言った直後、二人がフェリアに拳銃を向けた。だが、その銃が向けられた直後、
 それは粉を吹いたように消え、呆然とする二人は両手で掴み上げられる。
そして、響く嚥下の音。

『あと3人・・・♪』

我に返った一人が隙を見て逃げようとした。だが、フェリアの尾口が唾液を撒き散らし、
 死角に逃げ込んだはずの一人に頭から食らいつく。
尾口から出た触手に巻きとられ・・・暴れる事も出来ずに呑み込まれ、尻尾の膨らみとなった。

残った2人のうち、一人は火炎放射機をフェリアに向けて、なんとか距離を置こうとした。
だが背後から尻尾に襲われて火炎放射機を弾き飛ばされ、
 拾おうと手を伸ばした姿勢のまま足からくわえ込まれ、尾口へと消えていった。

『フフ・・・どうやら貴方が最後みたいねぇ・・・♪』

「や、止め・・・まだ死にたくない・・・」

泣きじゃくりながらそう言う1人を、フェリアは微笑みながら持ち上げ、一言。

『だ〜め。こんなに美味しいのに逃がすわけ無いじゃないの♪』

そう言って、捕まえた1人の顔を舐める。そしてそのまま頭の上に持ち上げ、口を大きく開いた。

「嫌! 止めて!! 助けて!!!」

長い金髪を振り回し、大暴れしてなんとか逃げようとする。
そのうち、近くに僕が立っているのに気がついたのか、僕と視線が合う。一瞬の沈黙。そして・・・

「お願い助けて! まだ死にたくない!! 助けて!!!」

動揺し、相手が何者なのかも分からず顔に涙を浮かべ、必死に助けを求める。
僕は1歩踏み出し、助けに行こうとした。だが・・・その先の2歩目が出ない。
気がつけば悲鳴は消え、くぐもった声となっていた。

『フフ・・・御馳走様でした♪』










そうして、僕らを襲った6人は全員・・・フェリアの腹へと収まった。
腹の方はまだ動いているものの、尻尾は既に動きも膨らみも無い。
僕と違い、生き返る保証も無しに喰われた彼らを考えると・・・胸が痛んだ。

気づけば家の玄関前だった。僕はドアの取っ手を押し、家の中へと入る。

「お帰りー・・・どうしたの?」

出迎えたお母さんは、僕の雰囲気に違和感を感じ、そう聞いてきた。

「ああ、大丈夫気にしないで・・・ちょっと、ね。」

それからは、いつもどおりの生活を送った。
彼女の居る二階の寝室は避け、極力さっきの出来事は思い出さないように・・・
だがどんな事をしても、楽しい気分にはなれなかった。










時間は午後11時。寝る準備を終え、僕は寝室の扉を開く。
中では、既に寝ている弟・・・そして、腕の怪我に包帯を巻き、竜人姿で僕の布団に入ったフェリアが居た。
僕は黙って布団に潜り、目を閉じる。すると、彼女は僕を抱き寄せ、翼でくるむ。
その暖かさはとても心地いいものだった。
だが、その暖かさをもってしても、僕の心は明るくならなかった。

「・・・ねえ、フェリア・・・あのさあ」

布団に潜ってどれほどたったんだろうか・・・心に余裕が出来て、僕はフェリアに声をかけた。

「彼らは・・・どうするの?僕みたいに蘇生する・・・んだよね?」

「・・・いいえ、複数人だったし、人数も多かったからそれは出来ないわ」

「・・・そっか」

それを聞いて、いつもなら動揺し騒ぐところだ。
だが今は、そんな事をする気力もない。

「・・・じゃあさ、あの怪我はなんなの?・・・
 いや、そうじゃなくて・・・どう言うべきか・・・」

心の中で言いたい事をまとめ、改めて口に出す。

「・・・怪我の中に金属が見えたんだけど・・・あれって、何なの?」

「ああ、あれね・・・私の骨よ。想ちゃん、私はね・・・










 ・・・機械なのよ」

そう言い、彼女はポツリポツリと、自分が知ることを語り始めた。


変な終わり方だなおいw
どうも、この小説の為だけに3DSを封印していた想西です。
初めましての方は初めまして。

文字数は驚異の4984文字!380文字前で3DSの文字数制限にかかって、最後はPCで執筆したお(^q^)
これを書くのに約一週間・・・いや、一ヶ月はかかったか?

そのせいか、話がグッダグダに・・・
チェックはしましたが、なにか妙な点、指摘等々ありましたら感想欄にてお願いします。
<2013/01/27 15:20 想西>
消しゴム
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