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僕とお姉ちゃんの捕食日常日記 − 旧・小説投稿所A
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僕とお姉ちゃんの捕食日常日記
− 危険な宮殿の主 −
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ラストラたちが宮殿内でセルドンを探し始めた頃

古龍宮殿前

「僕は今なんでこんなことをやっているのだろう……自分が最も行きたくない場所に自ら足を踏み入れてしまうなんて。」

サルファーは過去のトラウマを思い出しているせいかひときわ汗をかいていた。

「ラストラさんは今いないから大丈夫なはず……。」

サルファーは自分にそう言い聞かせ、頼まれたことを終わらせるために門の前にいる護衛兵に会いにいった。しかし、門の前には護衛兵がおらず、しまっているはずの門も開いていた。

「おかしいですね、いつもなら必ず門も前に立っているはずなのですが。」

サルファーはこの時から何かがいつもとは違っていると思っていたが気にしないようにしていた。

(誰かが食べたのでしょうか。だとしたら一体誰が…)

サルファーはそんなことを考えながら古龍宮殿の門をくぐり門を閉めた。すると、古龍宮殿の中から護衛兵が一人出てきた。護衛兵の存在が心細いサルファーにとってはこれ以上にない安心感だった。

「護衛兵さん、こんにちは。あの、勝手に宮殿の門を閉めてしまってすいません。」

サルファーは護衛兵に何か話しかけたいと思って最初に謝った。

「いや、逆に助かったよ。こっちが何も対応をしていなかったのが悪いし、宮殿内をしっかりと警備できていなければこんなふうにはならなかった。」

「(随分と気の軽い護衛兵ですね。)何かあったのですか?」

「それが困ったことにセルドン様が行方不明になっていて、どこにもいないんだ。」

「行方不明?それはどういうことですか。」

「セルドン様が自分の部屋に戻ったあと、急に大きな音がしてセルドン様がいなくなっていたんだ。」

サルファーは話を聞いている途中にある矛盾に気がついた。

「それは宮殿内で起こったことなんですよね。」

「ああ、そうだ。」

「そしたら、古龍宮殿内にある氷像に何か映っているはずです。」

サルファーはラストラが自分の身を守るために氷の魔法でそこらじゅうに氷像があり、監視カメラの代わりになることを知っていた。

「ああ、それなら既に調べているが残念なことに氷像も壊されて何もわからないんだ。」

「そうですか。ってちょっと待ってください。もしかして宮殿内にラストラさんがいるんですか!?」

「もちろんいるとも。大切な弟をほったらかして新しい世界になんて行けないからな。」

「そう…ですか。」

「?、どうした。」

サルファーはみるみる顔が青くなっていった。今更、帰りますって言って帰るのも怪しまれる。かと言って、このまま入っていったらラストラさんに食われることは間違いない。なんてタイミングの悪いころに来てしまったのだろうと後悔した。

(嫌だ、食べられたくない。)

サルファーは食われたくないと思ってしまっているため、どうすればいいのかさえ思いつかなくなっていた。

「おい、大丈夫か?」

「はっ、すいません。考え込んでしまって……。」

「そうか、それならいいが。とにかく、ラストラ様かセルドン様のどちらにお会いしにきたかわからないが、少し待っててくれ。」

「あっ、待ってくだ……」

サルファーは護衛兵を呼び止めることができず。そのまま護衛兵は宮殿の中へ戻ってしまった。

(このまま待っていてもラストラさんが来るだけですし、なんとかしなければ。)

サルファーがそんなことを考えているうちに大きい足音が聞こえてきた。サルファーはラストラさんがやってきたと思い、隠れる場所がないか探した。

(どこか隠れる場所。食われたくない、食われたくない……あっ、あった。)

サルファーが見つけたものは城の2階にある開けてある窓だった。

(あまりこんなことはしたくありませんが、食われるよりはましです!)

サルファーは藁にもすがる思いで窓に飛び込んだ。しかし、窓に翼があたってしまい窓が粉々に砕け散った。

「いてて、失敗してしましましたね。」

サルファーが応急処置をしていると聞きたくない声が聞こえてきた。

「セルドンー。そこにいるの?」

ドスンドスンと足音が大きくなってきた。

「しまった、窓が割れた音でラストラさんが気づいた。こうなったらあの技を使うしかありませんね。ちょうど本があったので良かったです。」

サルファーは飛び込んだ部屋にあった本棚から本を一冊取り出し、暖炉の裏に隠れた。そして、本のページを適当に開き、詠唱魔法を唱えた。

「急いで隠れないと…我、汝の書に入れ込み我の身を守らん……お願いですので早くしてください詠唱魔法『エントレ』発動!」

サルファーがそう唱えたあと、サルファーの体が本のなかに吸い込まれていった。

サルファーが本のなかに入ったすぐあとにラストラがドアをアルミ缶のように蹴り飛ばし部屋に入ってきた。

「セルドン!!……あれ、いないわ。」

ラストラは散乱した部屋を見回した。その時、ラストラは割れた窓ガラスを見てあることに気がついた。

「ガラスが内側に飛び散っているってことは誰かが入ってきたのかしら?もしかして…」

ラストラは持参している氷の水晶で門前の氷像に映っている映像で何があったのかを確認した。

「へえ、……そういうことなの。」

「ラストラ様、セルドン様は見つかりましたか?……これはまた随分と荒らしましたね…。」

護衛兵は荒らされている部屋を見て、修理費がどのくらいかかるだろうと思っていた。

「フフフ、ごめんなさい。残念ながらセルドンじゃなかったわ。でも、探しがいがあるわ。……覚悟なさい。」

ラストラは怪しい笑みをこぼしながらそう言った。しかし、護衛兵にとっては恐ろしく不気味なものなので少し引いた。

「どういうことですか?」

「簡単なことよ。この宮殿内にちょっと変わった侵入者がいるだけのことよ。護衛兵さん、今すぐ護衛兵全員に侵入者がいることを伝えてきてほしいの。ただし殺さないでね、必ず生きたまま捕まえてくるのよ。」

じゅるり、とラストラは舌を鳴らしているところでようやく護衛兵は状況を理解した。

「分かりました。すぐに知らせます。」

護衛兵はそのまま部屋を出て行った。

「さてと、どのくらい侵入者さんに修理費を請求しようかしら。」

ラストラはそんなことをつぶやきながらガラスの破片をゴミ箱に捨てていた。その時、別の護衛兵がやって来た。

「ラストラ様、今さっき……」

「おつかれさま♪」

ラストラは護衛兵を掴んでそのまま口のなかにいれた。

ゴキュ、ゴクゴク、ゴックン。

「ゆっくり休んでね。貴方は触れてはならない真実に触れてしまったのだから。」

ラストラはお腹を撫で回しながら笑ってそう言った。

(サルファー、いつも礼儀正しいあなたがこの宮殿に不甲斐ない入りかたで入ってくるなんてさぞかし辛いでしょうね。私がしっかりと私なりに癒してあげるね……楽しみだわ……セルドンを探すよりも。)

ラストラは知っていた、ちょっと変わった侵入者がサルファーであることを。

(何年ぶりかしら、こんなにワクワクさせてくれる侵入者がやってくるなんて……客人と同じくらいおもてなしをしてあげる。)

ラストラは急に食欲が出てきた。

「フフ、案外近くにいたりするかもね。」

そう言いながらラストラはまた部屋を見回した。

今のラストラの目は弟を心配するいつもの優しい目ではない。サルファーをこの上ないくらいに味わってやろうという狩人の目に豹変していた。




《技データ》

『エントレ』…サルファーが使う技の一つ。本や手紙、書面のなかにはいることができて、書かれていることを再現することができる。また、本の中に入り身を隠すことができる。そのため攻撃を回避することによく使われる。ほかにも、相手の偵察など様々なものに応用ができる。

『エントラ』…サルファーが使う技の一つ。相手を本の中に入れることができる。効果は『エントレ』と同じ効果を発揮する。

欠点…本の中に入ることだけあって燃やされたり、隠れているページを破かれたりするとダメージを受ける。また、濡れたり、汚れたりすると隠れている本人も濡れたり、汚れたりする。そして、本は開けたままにしておかないと本から出ることができない。よって、本を閉じられてしまうと出ることができない。

利点…本の中にいるときは本に書かれている魔法や技術を相手に向かって使うことができる。よって、自分が使えない技が本の力により使うことができる。

隠れているとき…隠れているときは書かれているものの中に自分の名前が表記される。

古龍宮殿の警備

氷像…古龍宮殿内はラストラが作った氷像が置かれている。監視カメラの代わりとなっており、氷像は宮殿のいたるところに置いてある。氷像は気やオーラの察知すると自動的に爆発する仕組みになっているためすぐに侵入が気づかれてしまう。また、ラストラが自在に氷像を動かし戦わせることもできるため応用範囲が広い。ただし火や炎の魔法に弱く、すぐに溶けてしまう。電気を帯びているため相手の鉄の武器を引き寄せ自分の武器として使うことができる。冷気を放つためその周りがとても寒くなる。

護衛兵…宮殿内には約450名の護衛兵がおり、国内でもかなりの腕の兵が集まっています。ちなみに全員、ラストラにより被食登録となっています。
<2012/08/18 07:21 名も無き竜>
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