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僕とお姉ちゃんの捕食日常日記 − 旧・小説投稿所A

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僕とお姉ちゃんの捕食日常日記
− いつもの夏 −
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……ミーン、ミーン………ミンミンミン………

タッタッタッタッタッタッタッ………

夏でみんながよく聞くセミが鳴き、暑い太陽がジリジリと照りつける中、一匹のある生物が勢いよく丘を登って走っていた。

「今日も暑いなー。なんでこうサルファーの図書館は宮殿からかなり離れた丘の上に建っているのかなー。全く持って理解できないよ。」

そんな愚痴を言いながらセルドンはあることを伝えるためにサルファーの図書館へ走って行くのだった。

*****15分後************************************************

「ぜェ、ぜェ、やっと着いた………だから……この図書館には…………行きたくないんだよ……。」

セルドンは息を切らし、汗をかきながら古びた木造図書館の前に立っていた。この図書館こそがサルファーの図書館であり自宅でもあるのだ。

セルドンは図書館の前にある看板を腹いせに蹴飛ばした。看板にはなにか赤い字で書かれていたがセルドンは気にしなかった。

「こんな宮殿から25kmも離れているおんぼろの図書館なんて今時誰も来ないよ。あーあ、僕が空を飛べたらいいのになー。早く中に入ってクーラーの風にあたろう……。」

セルドンは古い木造図書館の両扉を前に思いっきり押した。
しかし、図書館の扉は「ガタン」という音をたて立ちはだかる壁のように開かなかった。

「え、まさかここまで来ておいて肝心の人がいないって事はないよね。」

セルドンは確かめるようにもう一度、両扉を押したが扉は鉄のようにビクともしなかった。

「電話したから必ずいるはずだよね……。だって、今日のお昼に必ず行くって約束したもん。それに図書館の明かりがついているからいないと変だもん。」

セルドンはサルファーが自分の部屋の明かりをつけたまま家を出ないことを知っていた。だから、彼は間違いなくここにいると確信していた。

「もう時間もないから、仕方ないけれど扉をブチ破るか……。」

セルドンは少しかがんで、口から思いっきり水を吐き出した。

ザッバーン、バリバリバリ……

扉があっけなく崩れ、中から涼しい風が流れ込んできた。

「あーあ、これで4回目だけど別にいいよね。でも涼しいなー。やっぱりここはいつ来ても天国だー。」

さっきまで言っていた愚痴を忘れたかのようにセルドンはクーラーの近くに寄って涼んでいた。そうしているうちにある人物が本を音読している声が聞こえてきた。セルドンにはだいたい誰か予想はついていた。

「……昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが……」

「やっぱりほかの世界の本を読んでいたよ。どうりで扉をぶち破っても気づかないわけだ。おーい、サルファー。戻って来ーい」

「……おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に………」

「…ダメだ。読むことに集中しすぎてほかのことを完全にシャットアウトしている。」

「そうすると、川から……」

話しかけても無駄だと思ったセルドンは最終手段を使った。

『ラストラがきたよ。』

「「嫌です!食べないでください!!」」

聞いた途端にサルファーは急いで本を閉じて机のしたに隠れた。隠れるまでの行動に0,1秒もかかっていない。

「嘘だよ☆。本当にいたらとっくに食べられているよ。」

「本当にいませんよね、いませんよね。」

サルファーは机のしたでうずくまっている。

「いないよ。本当に怖がりだなー。」

馬鹿にしないでください。それより電話で言っていた話したいこととは何ですか。本当は今日は休館日ですよ。」

「(毎日開館って入口の扉に書いてあるけど…)ああ、そうそう。実はアクロテ所長からの指令で異次元空間干渉団として異世界に行くことになったんだ。」

セルドンがそう言った後。サルファーは机のしたから出てきて、興味津々に目を輝かせながらセルドンに訪ねた。

「今回はどちらへ行くのですか?」

「今回はポケモン?とかがいる世界で、場所は確か…えーと、イッシュ地方って所なんだって。」

「(随分と曖昧な記憶ですね……)調べる内容は?」

「最近、そこの近くの海で異常に多きなエネルギー反応が観測されたからお姉ちゃんと一緒に行く予定なんだ。」

話を聞いたあとサルファーは少し考え込んだように頭を抱えた後に口を開いた。

「なるほど……では僕は行きません。」

「あれ、なんで一緒に来て欲しいって言おうとしていたのがわかったの。」

「大概のことは本を読んでいればそれくらい予測できます。」

「なんで行きたくないの。せっかく新しい世界へ行かせてもらえるのに。」

「ついさっき…『お姉ちゃん』といったからです。」

「そんなこと言っていないよ☆(棒読み)」

「あからまさすぎです!顔ですぐにわかります!…とにかく私はたとえ死んでも行きません。」

「わかったよ……。じゃあ、イッシュ地方の気候や地図はある?」

「それならいくらでもありますよ。なんせ私の図書館は先祖代々から……」

「急いでいるから自慢話は後にして。それと、イッシュ地方に書かれている本は古龍宮殿に送ってね。」

「分かりました。すぐに用意します。ただし、イッシュ地方の歴史書が不足しているのでおみあげに150冊程度持ってきてくださいね。」

「(今でも十分にあるのに……)そんなにたくさんは僕には無理だよ。」

セルドンがそう言ったあとサルファーは顔をしかめた。

「扉、壊しましたよね4回。」

「うっ、気づいていたんなら扉を開けてよー。」

「あの扉は引き戸ですよ。まさか、看板に赤字で書いてあったのに読んでいないってことはないですよね。」

「ぐっ、そ、それは……」

セルドンは的で射抜かれたかのように心が痛んだ。

「まあ、いいです。壊れてしまったので。」

サルファーがそこで話を切り上げたのでセルドンもほっと胸をなでおろした。

「それでは、用意しておきますので気をつけて行ってきてください。」

「わかったよ。それと本を送るついでに僕の部屋を掃除しといてくれるかな?」

「(いつから私はあなたの召使になったのでしょうか)分かりました。それでは、やっておきます。」

「わかったー。じゃあよろしくねー。それと、今僕がどんなことを考えているかわかる?」

サルファーは少し笑いをこらえながら言った。

「新しい世界で、新しい生物に食われてみたいって顔に書いてありますよ。」

「そっか、じゃーねー。」

「相変わらず嵐のように元気な子です。」

サルファーは自分もあんなふうに活発だったら何かが変わっていたかもしれないと思いながら他揉まれた本の準備をするのだった。

しかし、この頼まれた掃除がサルファーにとって最悪の日になるとはいくら本を読んでいるサルファーでも予測することができなかった。


  データ

サルファー 本竜 ♂ 捕食専門 階級:上平民竜
『本竜』と呼ばれており、王国の頭脳として、王宮に仕えており、国の財政管理、インフラの整備など様々なことを行っている。捕食者登録、被食者登録の管理も彼が行っている。そのため毎日家にこもっていくこと多く、外には全く出てこない。得意な魔法としては本の世界やデータの世界に入りこめる魔法である『エントレ』がある。本が好きで、自分の家が古い木造図書館になっており自由に毎日解放されている。ラストラに一週間の胃袋の中に監禁されたことがトラウマとなっているため被食を嫌う。また、彼の中では『ラストラ=食われる』という方程式が成り立っているため、ラストラを嫌う。図書館には約150000の本があり毎日様々な音読をしているが夢中になると周りが見えなくなる。本人曰く、本があれば3日は生きていけるらしい。異次元空間干渉団の一人であり司令塔の一人。

セルドン 水竜 ♂ 捕食・被食 階級:貴族竜
竜のくせになぜか被食されることを好む癖があるらしく、いつも姉の腹の中に収まっている。食べられるとついついうれしくなってしまうらしく、自分でもそれが良いと思っている。そのため竜の中では珍しい捕食者登録ではなく、被食者登録にしている。また、翼があるが、一人では飛べないため遠くに行く時は姉の背中に乗って行動することが多い。しかし、走って行く時もある。本人も空を一人で飛びたいらしく暇があれば空を飛ぶ練習をしている。本人も自覚するくらいよく物事を忘れる。異次元空間干渉団の一人であり最年少。

わからない部分

セルドンの姉……ラストラ

古龍宮殿……古い宮殿でありラストラとセルドンが住んでいる宮殿。ここからほかの世界へ渡ることが出来る。

アクロテ……国立国際古龍魔法水晶科学技術総合研究センターの所長  

一言

「今日は誰が僕のことを食べてくれるかなー。もちろんたべてあげてもいいよー。」

「本館では読書と捕食の二つが味わえますのでご注意ください。」

※アクロテとラストラはのちのち説明します。

<2012/08/11 06:46 名も無き竜>
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