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ICE AGE − 旧・小説投稿所A

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ICE AGE

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「さあ…頭と足……どっちからが好みだ?」

動けないリゲルを嗅ぐように眺め回し、震えている首筋に舌を当てる。

「だ…や……うぇぇ…」

温かい…とにかく温かい。肉質な舌は首を呆気無く犯し、服の中へと侵入してくる。


「ぬぇ……や、やめ…て…」

「フフ、気持ち良いのは分かっている……とっとと諦めるんだな。」

舌を服の間に挟んだまま、氷竜は見かけより遥かに大きな口を開く。細く立つ唾液の柱……肉々しい喉の奥……そして奥深くから吹いてくる生温かい吐息。

牙の門が額に触れ、分厚い舌は抜かれると、氷竜は口を閉じる。


バクン……

「ひ…ひえええあああぁぁっ…!!!」

お構いなしに頭から食われ、舌のカーペットに寝かされる。無我夢中で狭い口蓋をボコボコと叩くが、固い顎は頑として動かなかった。

唾液も柔らかそうな頬肉から染み出してくる。舌がぐいっとリゲルを持ち上げ、そこへ押し付けた。

「ぶ…ぐむっ…!うぶぶっ……!!!」

「いやはや昔懐かしい味じゃないか……服も脱いで貰えればありがたいんだがな。」

狭苦しい圧縮空間で、「温かい」舌と「冷たい」頬に挟み潰される。手を立てようとすれば、ずぼっと頬肉は手を埋めてくる。

リゲルは感覚も凍りかけていたのか、今になってやっと実感が湧き出してくる。


……自分は今、竜の口の中。
…何とかして逃げ出さなければ、「ごくん」と呑み下されてしまう…


恐怖が覚醒剤のように心を襲い、人としてできる限りの抵抗を始める。頬を蹴りつけ、もがき、舌を殴り…………




しかし所詮はか弱き人。強大なるドラゴンには、打ち勝てるはずもなく…


ぶにゅっ…♪
「うぶわっ…!ああっ…やめ…落ち…」

口内だけでは楽しめなくなったのか、氷竜はぐっと上を向き、舌をくねらせてリゲルを落とそうとする。ゴッツリと隆々しい舌に抱き締めることを余儀なくされたリゲルは、屈辱感に満ち溢れ、更にしがみつく力を強くする。


……不本意だったが、抱きついた舌は見かけによらず柔らかく、冷たさから身を包んでくれる肉布団のようにも思えた。

一瞬、冬の寒い朝を思い浮かべる。出たくない……ずっと居たい……



理不尽と快楽と苦痛に押し潰されそうになりながら、リゲルは自分を振り落とそうと暴れ狂う舌を睨む。

氷竜がじれったそうにしているのが、何となく分かった。





「おい…離せ。痛くはしない。」

イライラを殺し、優しく語りかけられる。見せかけの口調に騙される程、リゲルは馬鹿では無い。

「う…うる…さ………出せ…」

「………出せ?私もずっとそう訴えていたが?」

何時までもしつこく抵抗していたためか、とうとう氷竜は柔らか口調を捨て、凶暴な捕食者へと変貌する。


「…まだ助けを乞うか……ならば…」

「ぐっ…うわ…!うわああああぁぁっっ!!」

いままで戯れているかのようだった舌は一変し、鬱陶しく張り付く「虫」を落とそうと、激しく暴れ始める。

口蓋へ押し付け……巻きついて呼吸を封じる。次々と繰り出される舌技に、リゲルの手はあっという間に離れてしまった。



「うわっ…い、やあああだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」





「死ね、愚虫が。」

…ごくり。













ムグ…ゴキュ…ゴキュ…♪

リゲルが暴れながら呑まれていくのを、ドイルは脚の下で見せつけられていた。

長い首の「ぽこっ」とした膨らみが、脈打ちながら真っ逆さまに堕ち込んでいくのを…






「げふっ………美味…。」

満足そうに出たお腹をすりすりと撫でる氷竜。久しぶりの余韻を楽しんでいるのか、目はうっとりしていた。







「た…助け…て………!!」

「…………フフ」


命乞いを、腹を膨らませた竜にしているドイル。

どう考えても浅はかすぎた。


「お願いしま………何でもするから…」

「フフ………フフフフフフフ……」

不気味にドイルを見つめたまま、氷竜は笑いだす。目から理性は消えていた。



「や、し、死にたく……!!」

「…やかましいな…」

がしっと頭を掴むと、無理やり自分の目の前へと引っ張り出す。


「お前も暴れたりはするなよ…?」

「ひ……わ…」


グパァ……


<2011/05/15 15:11 ロンギヌス>消しゴム
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