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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A

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雪の足音。

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「うぅ……寒いよぉ」

一面雪に覆われた銀世界の雪山で不釣り合いな炎タイプのポケモン……ロコン。
ズボズボとあまりにも慣れない雪を踏みしめ、足も直ぐに冷たくなってしまい、なかなか先へは進めない。

そんなロコンが探しているのは『星の花』と呼ばれる綺麗な花だ。
このような険しい雪山の頂上に生えており、冬の寒い時期にだけ星のようにキラキラと瞬いて見えるそうだ。
『星の花』には万病に効くと言われており、どんな傷や病気も治せると言われている。

そんな花をわざわざ暖かい気候の地域に棲んでいるロコンが来たのには訳がある。
家には病弱な姉のキュウコンがいる。キュウコンは動くことも殆どできずに寝ていたが、起きたときにはロコンに色々な話を聞かせてくれた。
そんなキュウコンがロコンはとても大好きだった。

しかし、そのキュウコンに待ち受けていたのは厳しい現実が……余命1年と医者に告げられたのだ。
ロコンはただ一生懸命に医療について学び、大好きな姉を救いたい一心でいろいろ試した。
しかし、祈祷などでは決して効くこともなく……ただただ月日が過ぎていく……。
だんだんと弱っていくキュウコンを見ているのはとても苦しかった。
それでロコンは『星の花』を見つけた。
雪山には多く咲いているようだが、その入手の困難さにこおりタイプのポケモンにお願いするのが普通だ。
しかし、暖かい地域に棲んでいるロコンにはそんな知り合いがいるわけもなく……自分が行くしか無かったのだ。


<2012/01/16 09:03 蒼空>消しゴム
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