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【保】神々の戯れ〜神様、街へ行く〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】神々の戯れ〜神様、街へ行く〜

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「いらっしゃいませー。お二人様ですね?それでしたらこちらにどうぞ」

月夜兎がちびちびとケーキを噛っていると、新しい客が自分たちの隣の席(月夜兎からすると真後ろ)に通された。
しかしかなり体重が重い人が来たらしく、ズンズンと床が軽く揺れる。
力士でも来たか?
月夜兎はそう思ってさりげなく振り返った。

「ぶっ……!」

だが視界に入ってきたものを見て、危うく絶叫しそうになる。

「月夜兎〜、ジュースも取ってきたよ。って、ちょっと……」

ケーキを持って戻ってきた水神もその場に立ち尽くす。
彼らの視線の先には、なんとドラゴンがいたのだ。
月夜兎は辺りを見回すが、騒ぎらしい騒ぎは起こってない。

「どういうことだ水神?どうして騒ぎが起こらないんだ?」

月夜兎は水神に耳打ちする。

「わ、私に聞かれても。普通なら絶対にパニックが起こると思うんだけど……」

水神も分からないと首を傾げる。
ドラゴンという架空生物(人間からすればの話だが)が現れたとなったら、絶対にパニックになるはずだ。
警察が、いや、下手したら自衛隊が出動するだろう。
それぐらいの騒ぎになってもおかしくはないはずなのに、周りの人間たちは気にも留めていないという感じだ。

「もしかして何かの妖術で認識されないようにしてるとか?」

「う〜ん、どうだろう?……私聞いてみるね」

なんと水神は直接そのドラゴンに話し掛けに行ってしまった。

「あっ、バカ……!」

月夜兎も慌てて立ち上がって水神のことを阻止しようとしたが、水神がそれより先に話し掛けてしまった。

「スミマセン。ちょっとお伺いしたいことがあるんですけど」

「えっ?」

そのドラゴンは完全に面食らった様子だった。


「あなたはドラゴンですよね?普通はその何と言いますか、こういうところにはいないはずじゃ……」

「うん、そうだけど。……あれ?どうして君は僕の存在を疑えるの?」

水神の問いかけに、ドラゴンは動揺し始めた。

「そいつはどういう意味だ?」

月夜兎が畳み掛けるように尋ねる。

「だって、この世界の神様に、人間が僕のことを見ても『ああ、ドラゴンか』で済むようにしてもらったんだよ。それなのに君たちは僕のことを……」

水神と月夜兎は顔を見合わせる。
人間たちが騒がない理由がこれで分かった。

「と言うか君たちこそ何なの?もしかして人間じゃないの?」

今度は逆にドラゴンが質問をしてきた。

「ああ、まあそういうことになる。一応私たちも神様みたいなものなんだ」

月夜兎は自分たちの正体を明かす。

「私はあなたと同じドラゴンだよ〜」

水神は嬉しそうに言うと、なんと元の竜の姿へと戻した。
ただ体のサイズは店を壊さないようにかなり抑えてではあるが。

「ちょっと待て。このドラゴンさんが言ってたやつはこのドラゴンさんだけに適用されてるはずだから、お前が元の姿になったら騒ぎに、……ならねぇなオイ」

何故か水神に対しても周りの人間たちは特に反応しなかった。
どうやらこのドラゴンさんの近くにいる者にも適用されるみたいだ。

「私の名前は水神。ここから遠い山奥に住んでるの。ねえ、お友達になろうよ」

「僕はセルモス。もちろんいいよ!」

二頭は早速意気投合したらしく、尻尾を振ってはしゃいでいた。

「えーっと、人間さん。ちょっといいかな?」

ハイテンションになっている二頭を尻目に、月夜兎はセルモスと同席していた人間の青年に話し掛けた。



<2011/12/05 23:03 とんこつ>消しゴム
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