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消えた理性 Final − 旧・小説投稿所A
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消えた理性 Final

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「…なあゲン…」
「しゃべるな、耳が腐る。」
「な…なんだとおおお!!!?」

本来静寂…なはずの森に、罵声と怒声が響き渡る。ジュカイン達だ…

「だいたい何でお前がこっちについてくんだよ!?あっちいけ!」
「やかましい、俺が逃げようとした道にお前が割り込んできたのが悪い。カイオーガに見つかったらどうするんだ。」

実はこの2人、あまり仲がよろしくない…
というか悪い。見つかる危険をかえりみず、堂々とケンカしていた。

ジュカイン「このカタブツ!切り裂くぞ!」
ゲンガー「ふっ…キレ症が。モテない理由はそれだな、少しは他人に優しくしろ。」
「おまっ…言ってくれるじゃねえか…
カイオーガに突き出してやろうか?」
「やってみろ…彼女居ない歴18年野郎。…カイオーガをダシにするとはな…」

カイオーガ「僕をだしに?お味噌汁でも作るのぉ?」
「「ぎゃあああああ!!!!!」」

いつもの喧嘩のように、カイオーガ出現。
お腹はぷっくりと膨れている。


「おま…あいつら喰っ…って言ってる場合じゃない!逃げるぞ!」
「え…ちょっと…」

ジュカインはものすごい速さで走りだし、
砂埃を上げながら消えていった…




「そんな、ひどいよぉ…顔見ただけで逃げ出すなんて…」
カイオーガは目に涙を溜め、うつむいた…

「え…カイオーガ…な、泣くなって…」
「だって…うえっ…」

元々こういう雰囲気が苦手なゲンガー。
こういう時どうすれば良いのか分からない。とりあえず…

「だから…えっと、まぁ…」
軽くカイオーガの頭を撫で…ようとした。




「あれ…体が…動かねぇ…」
声は出せるものの、体は金縛りのように
動かなくなってしまった…

「カ、カイオー…ちょっと手を貸し…え?」

カイオーガは涙などかけらも見せず、ただクスクスと笑っていた。目は蒼く光っている…サイコキネシスだ…

「カ…カイオーガ?」
「クス…はずれ♪」
「…え?」

カイオーガは大きく口を開け、頭からゲンガーにかぶりついた。

「んぐうううう!!?むうむうう!!…」

全身は瞬く間に口内に入れられる。サイコキネシスもも解けたが、もう遅過ぎる。

「優しいね〜ゲンガーって…でも警戒は解いちゃだめだよ?」
「むぅがぁぁぁ…うぐうぐぅぅぅ!!……あ……だめ…」

「お元気で♪」
ごくり…

「ん…ぅぅ…」
捕らえられたゲンガーの意識は、嚥下と共に途絶えた…









「デザートは…ニヒヒ♪」…じゅるり。

カイオーガは胃袋にゲンガーを収めると
最後の獲物を求め、舌舐めずりをするのだった…


<2011/05/15 14:26 ロンギヌス>消しゴム
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