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新たな土地、新たなる出逢い − 旧・小説投稿所A

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新たな土地、新たなる出逢い
− 雷狼竜 −
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バシッ!パパパ……

 突如として破裂音が響く。同時にガーグァの嘴から電弧が飛ぶ。嘴だけでは無い。突起という突起からコロナ放電が起きている。

「セント・エルモの火!一た!?」

 再度青白い電弧が光る。そして、ソレは姿を表した。

 強力な電気を身に纏い、天を見上げる巨体。
如何なる敵も切り裂き、叩き潰す逞しい腕。
全ての物に畏怖を感じさせる眼差し。

  雷狼竜 ジンオウガ

 竜が道を塞ぐかの様に居座り、天を仰ぐ。電気を纏い、青白く光る姿は猛々しく美しい。

その直後、空気中を伝わる程の電圧が体にかかったガーグァが混乱し、鳥車が横転しかかる。なんとか持ち直したのが見えた時には、幾つかの荷物と一緒に放り出されていた。

「ガッ!」

 何かにぶつった。

「アオォォ…ン」

 頭上でジンオウガが吼えた。
よりにもよって投げ出されたのはジンオウガの足下だった。

「あの野郎…いつか叩きのめしてやる…」

 突然、誰かの声が聞こえた。

「え?だ、誰だ!?」

「んん?声…?何処だ?」

 ジンオウガなんて強力なモンスターがいるところに誰がいるのか。疑問を口にすると、また声がした。
今回は出どころがはっきり分かる。自分の前方斜め上だ。そこにあるのはただ一つ。自分が激突したジンオウガの口である。
気付いたのは向こうも同じな様で、此方を覗き込んできた。

「ほぉう。こんなところに人間が入り込んでいたか。一体どこから…アレか。」

 ジンオウガの視線を追うと逃げ去る鳥車が有った。
それは希望が潰えた瞬間だった。どんなハンターでも丸腰では竜相手に生き残るなど不可能に近い。

「フフ…見捨てられたか…」

 ジンオウガの声が響く。

「み…見捨てなんかいない!」

 掠れた声が精一杯だった。脳を持つ生物ならば必ず持っている根源的な感情。
恐怖は完全に自分の体を支配していた。

「ほう…人間にも我らの言語を理解出来る者がいるのか…面白い。」

 ジンオウガは自分に少し興味を持ったのか、後退して正面に来た。
興味を持ったからか殺気が弱められ、すけしだけ楽になった。

「あ、あんたは…」

「見て分からぬか?人間共は我らを『ジンオウガ』と呼んでおる様だが。」

 どうやらジンオウガには此方をどうこうする気は無い様だ。それとも人間如き好きな時に捻り潰せるという訳か…
出来れば前者であって欲しい。

「どうしてこんな所に…ギルドからは安全な街道だと聞かされていたんだけど…
それにあの野郎って?」

「フン。突然あ奴が我の寝床を襲いよったのだ。
あの巨体には我ですら圧倒されたがな。」

 寝床を叩き出されたのか…そりゃ、荒れるよな。

「それで仕方なく一夜を過ごす場所を探しておったのだ。
………ちょうど良い。お前に探して貰おう。喜べ、我が気に入る場所を見つけた暁には王者たる我と共に寝る事を許そう。
その代わり、見つけられ無ければ…わかっておるな?」

 全く理不尽な気はするが、鋭い牙を見せつけられては断る事など出来る訳が無い。
ジンオウガを後ろに連れ、寝床探しに精を出す事になった。


三笠は日露戦争の日本海海戦で連合艦隊旗艦を務めた戦艦三笠でした。
さてさて、ジンオウガと添い寝は実現するのでしょうか♪
皆様はどちらが良いですかな?
<2011/09/01 15:52 リオレイア>
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