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新たな土地、新たなる出逢い − 旧・小説投稿所A

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新たな土地、新たなる出逢い
− 竜の棲む場所 −
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「ふむ…」

 ジンオウガがやっと見つけた洞窟を見分している。

「む…」

 少し表情が険しくなった。何か気に入らないところがあったのだろうか?

「……まぁ良いだろう。人間、此方に来い。」

 どっかりと腰を下ろしたジンオウガが、僕を手招きする。
甲殻と角、目つきのせいで厳つい印象を受けるジンオウガだが、以外と可愛い一面もあるんだなぁ…と感心してしまった。

「早く来んか」

 ジンオウガに急かされるまま近づくと、いきなり覆い被さって来た。

「うわぁ!」

「えぇい!暴れるな!」

 あっという間に抑えられた。流石に、巨躯を誇る竜が相手では分が悪すぎる。
が、押し潰される訳では無かった。

「はぁ……温かい///」

 なんと、胸元に抱き込まれてしまった。ふさふさした帯電毛があたり少しくすぐったい。

「ククク…我は言っただろう?気に入った場所ならば添い寝させてやる、と。」

 そう言うなり、ギュッと抱き締めて来た。だが、ふさふさの帯電毛が成せる技か、苦しい事は無かった。むしろより温かみが増し、出たく無くなった。

「フフフ…人間も温かいとは知らなんだ……」

 上からジンオウガの呟きが降ってきたが、温かさに浸っていた自分には届かなかった。


<2011/09/06 07:50 リオレイア>消しゴム
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