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消えた理性 Forth − 旧・小説投稿所A

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消えた理性 Forth

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「はっ!」
「今」のカイオーガは我に返る。

「だめだめ。昔のことは忘れなきゃ....」

しかし、懐かしいものは懐かしい。今も忘れられない。

「レックウザ...元気かなぁ〜?」

カイオーガとレックウザは、あの後半年間付き合っていたが双方の事情により、別れたのだった。
そして気になることがもう1つ...

「まだ、生きてるのかな。」

いまだに監禁中のニドキングの事である。
あの日から一度も出していないので、約6年間も
舌袋に入れっぱなしという事だ。

さすがに6年もの間ずっとニドキングの面倒を見てきたわけではないので、現在の生死は不明なのだ。

「出してあげ...ようかな...」

カイオーガの心の中で慈悲の心が芽生えた。
が...


「あーでもめんどくさいなぁ〜....やーめた。」

慈悲の心は「面倒」という悪魔によってあっけなく踏みつぶされた。

「えへへ〜。やっぱりずっと一緒だよ♪」


怖い笑みを浮かべているカイオーガに向かって、
一匹のポケモンが息を切らせて走ってくる。
親友、ジュカインだった。

「はっ、はっ、カ、カイオー..あひぃ!?」

カイオーガの顔を見たジュカインは腰を抜かす。

「あ..あ...」
「う〜ん?あ、ジュカイン。おはよ」
「ひえっ!?あ、ああ...」

元に戻ったカイオーガに、なんとか落ち着く。

「どうしたのさ。そんなに急いで。」
「え?あ!しまった!」

ジュカインは慌てて口を開く。

「カ、カカ、カイオーガ。お、落ち着いて聞いてて、くれ。」
「きみがね。」

「じ、実は今、こ、この島にに、人間が来てるんだ。」





一瞬の沈黙...


「それで?」

「それでって...人間だぞ!?何とかボールって言う物に俺たちを入れて奴隷にしちまう、人間だぞ!?」

「しってる。でも今来てる人間達はポケモンを乱獲してるのかい?」
「い、いや、それは..」

実際のところ、その人間達はポケモン捕獲に来た訳ではなく、島の測量に来てたのだった。

「何もしてこない相手を拒絶するのはどうかとおもうなー。」

「ご、ごめんなさい...」

いつの間にか説教になっている。

「分かればいいんだよ。こっそり見に行ってみよ?」
「お、おう..」



5分後、
カイオーガ達は島の南部、人間達が来ている所を
草陰から除いていた。もちろん体は小さくしてある。

「便利だなお前。」
「ありがと。何言ってるか聞こえるよね?」

「当たり前だ。お前ほどじゃないが耳には自信があるぞ。」

そして2人は、こっそり聞き耳を立てるのだった。


<2011/05/15 13:48 ロンギヌス>消しゴム
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