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Lunatic Diamond − 旧・小説投稿所A

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Lunatic Diamond
− the first day −
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「はーい」
唐突にドアのノックが部屋の静寂を引き裂いた。
洗い物で水に濡れた手をタオルで拭い、水気を取る。
主婦がそうするかのような返事を返しながら、玄関のドアへ向かう。
ドアノブを捻り、開こうとするや否や相手側からドアを開けられる。
「突然で悪いんだけど、匿ってくれない? お礼は弾むから♪」
その狭き門から姿を現したそれ。
全身をクリーム色の体毛に身を包む生物。
瞳孔の細い瞳が僕を捉えて離さない。
「あの……どちら様でしょうか?」
僕にこんな生物を連れている友達も、親戚もいない筈。
だから、この生物は何なんだ?
「そこの所は後にして、匿って欲しいの」
なんだか可愛らしそうにウインクなんかして……
人間じみてるし……訳が分からない。
そうすること数秒後。
僕の許可無く廊下に身を乗り出す。
そして僕は言葉を失った。
人間よりも遥かな巨躯。
長く、床を這う尾。
そして翼膜を携えた一対の翼。
どこからどうみても幻獣の竜……ドラゴンにしか見えない。
僕はきっと、夢を見ているんだ。
「と言う訳で今日から私はここに住むわね♪」
いやいやっ……
さっきは匿ってって言ってたのに、なんか住むとか言ってるし。
「いやいや、ちょっと待ってください」
「何? 私? あぁ、自己紹介してなかったわね♪」
その竜は名を レムリア と言った。


<2011/07/28 18:27 セイル>消しゴム
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