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【保】とある竜医と女王竜の記録 − 旧・小説投稿所A

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【保】とある竜医と女王竜の記録

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ズルッ、グチャッ

「はい、到着」

エルダリス2世の胃へ入り、ゴルダは異物があると思わしき場所に手を伸ばす。

「これか・・・」

グチュッ

ゴルダの手には、エルフィサリドの胃壁に刺さっていたものと同じ針が握られていた。

「万能解毒剤の出番か、しかし塗られていた毒の分析も済んでいないな」

と呟きながら、吐き出すように医師を通してエルダリス2世へ伝える。

「分かった」

ゴバッ、ドチャッ。

エルダリス2世は、素直にゴルダを吐きだした。

「こんなものが胃壁に刺さっていた、毒が塗られているから。とりあえず万能解毒剤を服用してもらおうかな」

体液を拭きながら、ゴルダはエルダリス2世に万能解毒剤を服用させた。

「エルフィサリドにも、全く同じ針が胃壁に刺さっていた。おそらくこっそり殺すために混入させたんだろう」

ゴルダは、エルダリス2世と夫のジンオウガに針を見せながら言う。

「誰が?」

ジンオウガの問いに、ゴルダは

「ドランザニア以外に考え切れるか?」

と聞き返す。ジンオウガは、闇竜国アルヴァスも考えられると答える。

「何か、アルヴァスの連中に恨まれるような事は?」

ゴルダが再び聞くと、ジンオウガは無いと答える。

「問題は混入ルートか」

ゴルダが言うと、エルダリス2世は

「1週間ほど前に、ある行商人から貢物のようなものを献上されたのを思い出した」

とゴルダに言う。ゴルダはすかさずそれだと答えた。



<2011/07/25 22:09 ゴルダ>消しゴム
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