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隠されし秘宝 − 旧・小説投稿所A

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隠されし秘宝
− 洞窟のドラゴン −
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ドラゴンの喉は膨れ上がり、シェリーは食道の中でもがくこともしないで、じっとしていた。
他の生物に丸呑みにされることなどは、シェリーも幾度となく経験していたのだろう、やけに落ち着いている。
食道の筋肉は、シェリーをさらに下へと送ってゆく。
その後、大きく開いた噴門が目の前に見えるほどまで胃に近づいた。
噴門を通ったシェリーは、ドラゴンの胃に落ちた。
そのころ、ドラゴンの腹は大きく膨れ、パンパンになった。
その後、ドラゴンは、静かに腹をさすった。
ドラゴンの、胃の中は、無残に溶かされた肉片や、人骨が散らばっていた。
シェリーは、飲み込まれた二人を捜索した。
「村長はどこかしら…」
と独り言を言いつつ、片腕が無くなった村長に出会った。
「ううっ…シェリーか…?」
と苦しそうな声で、村長は言った。
「はい、私です、シェリーです。
と、シェリーも答えた。
「良かったのう…怪我もないようじゃ」
と、場所にそぐわない言葉を放った。
シルは、胃液の溜まっているところで、しんとしていた。
「…」
「大丈夫?シル…」
「ああ、まあな」
と、普通の、いたって変わらない会話を交わした。
その時、その再会の感動を打ち壊すかのように、胃の筋肉質の壁から、胃液が噴出した。



<2012/05/15 05:53 エヴァンゲリオン弐号機>消しゴム
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