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冷たい空と暖かい太陽 − 旧・小説投稿所A

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冷たい空と暖かい太陽

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 そう言って、ルギア様に背を向けた時、何やら生暖かい何かが、僕の背中を撫でた

「ヒャッ! な、何?」

 今まで体験したことのない感覚のせいで、変な声が出た恥ずかしさよりも、その感覚への不安と恐怖が頭の中を埋め尽くした

「うむ。貢ぎ物が多ければ、こんなことはしなかったと思うのだが、少なくては、やはり我慢などできまいな」

「えっ? ルギア様? 何をおっしゃっているのですか?」

 ルギア様の言った言葉に理解できないまま、僕は背中に手を当てると、自分の体温とは違った、生暖かくて、妙に粘っこい何かが、手に絡み付いた

「私は今、ものすごく腹を空かしている。このくらいの貢ぎ物ではその空腹を満たすことなど、できる訳がない。分かるな?」

「は、はい! わかります!」

 穏やかそうな茶色の眼が、朝日のせいで少し赤みがかっている。ルギア様の眼に睨まれ、僕は意味も分からないまま返事をした

「そこでだ、私はある解決策を思いついたのだ。即ち、この少ない貢ぎ物でも腹を満たすことができる方法を」

「そ、その解決策とは。な、何ですか?」

 背中に大量の冷や汗をかきながら、僕は聞いた

 すると、ルギア様は、不気味にニヤリと笑った。少し開かれた口からは、真っ白な牙が、ぞろりと姿を見せ、そして、透明な唾液が糸を引いて垂れた

「それは、今ここでお前を喰らうことだ!」

 そう言うと、ルギア様は勢いよく口をガパァッ! と開くと、その大きな口で僕を包み込んだと思うと、

“バクンッ!”

 大きく裂かれた口は、大きな音を立てて、閉められた

「! こ……ここは?」

 辺りは一瞬にして闇に包まれ、僕はどうなったのか分からなかった

『それは、今ここでお前を喰らうことだ!』

 さっき、ルギア様に言われたことが頭の中にフラッシュバックした

 そこでハッ! と気がついた。ここはルギア様の、

「口の中?」

 そう呟いたとたん、僕を支えていた地面が、グニャリと動き出し、僕はべシャッと無様に転んだ

「うわっ!」

 僕が今立っている場所は、恐らくルギア様の舌の上なのだろう。舌は、体重に従って沈み、僕の体を生暖かい柔らかな肉が包み込む

 その上には、先程の僕の背中についた液体と同じような粘っこい透明なものが、水溜まりをつくっていた

 転んだ自分の体にその液体が絡み付く。少しばかり鼻の中や、口の中に入ってきてむせる



<2011/07/20 22:52 ルカ>消しゴム
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